ヒューストンテキサンズ戦でのマイアミドルフィンズの最大の敗因はやはり前半のディフェンスにありました。前半で27失点、306ヤード喪失で1プレー当たり8.7ヤードを許し、15回の1stダウンを更新されました。そしてQBマット・シャウブに対してはパス18回投中14回成功で247ヤード、2TDパスを献上、さらにNFLワーストのランオフェンスに対しても15キャリーで66ヤードを走られました。

一体なぜこんな酷い状況になったのか、数えきれないほどのミスタックルやパスカバー、パスラッシュの悪さはありましたが、一番大きかったのは試合開始して2プレー目にLBチャニング・クロウダーが怪我で退場してしまったことだと思います。

このクロウダーの欠場による影響はアリアン・フォスターという控えRBに6キャリーで37ヤード、1TDランを許したこと、そしてRBライアン・モーツに3キャッチで41ヤード、TEジョエル・ドリーセンに3キャッチで61ヤードを献上したことでしょう。これらを抑えなければいけないLBレジー・トーバーとエイキン・アヨデールが全く役に立たなかったということでしょうね。

テキサンズで最も警戒すべきだったのはショウブからWRアンドレ・ジョンソンへのパスプレーでした。これに対してはダブルチームでのカバーなどでよく守り、試合全体を通しても5キャッチで71ヤード獲得に抑えました。しかし逆にこれがテキサンズの脇役の選手を活躍させてしまう結果となりました。まあ当然テキサンズ側もジョンソンがマークされることはわかっていたでしょうから、その逆手を取ったオフェンスを考えていたでしょうけどね。

そして前半テキサンズに勢いをつけた別の要因としてはテキサンズのディフェンスだったと思います。若いLBデメコ・ライアンとブライアン・カッシングがとにかくドルフィンズの攻撃を止めました。試合全体で2人で20タックル、1.0QBサック、1インターセプトという成績でした。ドルフィンズのLB陣と比べてはっきり明暗が分かれています。

そのインターセプトですが、前半17-0とリードされた後の攻撃でなんとか1本返したかったところだけにドルフィンズにとっては非常に痛かったです。ただ、このインターセプトはディフェンスが素晴しかったというよりオフェンスがお粗末だったと言わざるを得ません。結果的にはRBリッキー・ウイリアムスがQBチャド・ヘニーのパスをキャッチし損なって弾いたものをインターセプトされたんですが、ヘニーのパスも悪かったです。

ドルフィンズのオフェンスですが、前半ウイリアムスは7キャリーでわずか22ヤード獲得、ヘニーはパス23回投中11回成功で82ヤード獲得に止まりました。ウイリアムスは第3Q最初の攻撃中に怪我をしてサイドラインに下がり、試合終了間際の最後の攻撃で1プレーだけ行いました。

ウイリアムスについてはエースRBロニー・ブラウン欠場の後かなり疲弊してきていたと思います。実際プレーにも切れがなかったように思いましたし、その結果がこの怪我につながったと思います。いよいよメインで起用せざるを得なかったRBレックス・ヒリアードがこの試合でランとパスでTDを記録した活躍を見ると、もっと早い段階でより積極的にヒリアードを起用していたらウイリアムスにとってもプラスだったと思うととても残念です。

第3Q終盤にヘニーからWRテッド・ギンへの62ヤードTDパスが反則で取り消されたのが痛かったように思えますが、逆に反則をしなければパスも通らなかったと考えたら大きな影響ではなかったとも言えます。

それよりもっと残念だったのはその前で、第3Qに27-10と追い上げた直後のディフェンスでSイェレマイア・ベルがインターセプトを決めてテキサンズ陣内33ヤード地点で攻撃権を得ながら1stダウンも更新できず、FGで得点を狙ったのに失敗してしまった場面でした。ここでTDを取って27-17にしていれば試合の流れを一気にドルフィンズ側に引き寄せられたかもしれないと思うと、その時の攻撃が悔やまれます。

それと話は前後しますが、前半最後の攻撃で18プレーも費やしてテキサンズ陣内9ヤード地点まで攻め込みながらTDを奪えずFGに止まったという”失点4”も悔やまれますが、試合の流れやテキサンズのディフェンスの内容で仕方なかったんですかね。

まあしかし27点差を逆転するのは並大抵のことではないので、前半あまりにも相手に得点を与え過ぎたのが大きなミスであることには変わりないですね。ジョンソンを意識するあまりフォスター、モーツ、ドリーセンといった控え選手に活躍されたというのがドルフィンズにとっては誤算であり、逆にテキサンズにとっては嬉しい誤算だったと言えるかもしれません。

この試合でクロウダー、ウイリアムスの他にOGジャスティン・スマイリーも怪我をしてしまいました。特にクロウダーについては主力選手の中で6人目のシーズンアウトです。今シーズンも残り1試合になりましたが本当に怪我人に泣かされたシーズンでしたね。