このオフのFAで大物WRの獲得が噂されているドルフィンズですが、当初の有力候補であった元グリーンベイパッカーズのWRグレッグ・ジェニングスに代わって、元ピッツバーグスティーラーズのWRマイク・ワラスが獲得の第1候補だという報道が各所でされています。元々この話は、ドルフィンズの地元メディアであるSun Sentinelが報じているものですが、どれぐらいの信ぴょう性があるのでしょうか。

ワラス、ジェニングス、そして元カンサスシティチーフスのドウェイン・ボウの3人が有力な獲得候補だということは前々から言われていました。その中で、ワラスは他の2人より若いし、少なくともジェニングスよりは健康面でのリスクも少なく実力も上回っていると思います。しかし、金銭的には最も高額だと言ってもいいでしょう。

伝えられているところによると、ワラスは5年間で6000万ドル(約55億7000万円)以上の契約を望んでいるとのことです。そうなればNFLで最高額のWRということになるでしょうが、果たしてそれほどの価値があるのか、またそれほどの実力をドルフィンズで発揮することができるんでしょうか。

仮にワラスがドルフィンズに入団するとして、最も大事なことはその他の選手の能力やプレー内容次第で、ワラスが活きるかどうかということでしょう。ワラスひとりでは当然試合に勝てないので、他のWRやTEのプレー内容も影響してくるでしょうし、ワラスに相手のマークが集中して他のレシーバー陣が数多くのパスを捕るようになると、ワラス自身は面白くないのでその辺でチーム内に不協和音などが表れてくるかもしれません。

また、レシーバー陣だけでなく、例えばオフェンシブラインのパスプロテクションが悪ければ、当然パスオフェンスにも影響し、ワラスを獲得しても宝の持ち腐れで終わるかもしれません。さらに、ドルフィンズのウエストコーストオフェンスにワラスがマッチするのか、QBライアン・タネヒルとの相性がどうなのか、などいろいろな要素が考えられます。得てして実績のあるベテラン選手はプライドが高く扱いにくいということもあると思いますが、そのあたりはこのワラスに関してはどうなんでしょうか。

とまあ、マイナス面ばかりに目を向けていても仕方がないのですが、ワラスにしろジェニングスにしろ、もし実績のある選手をFAで獲得するのなら、その周りの環境もしっかり整備しておかないと上手くいかないと思います。そのためにはどうしてもWRブライアン・ハートラインとは再契約したいところです。さらにTEのポジションのグレードアップ、アンソニー・ファサーノとの再契約がなければその補充も必須でしょう。

繰り返しますが、スーパースターが1人いても試合には勝てません。しかし、そのスーパースターの存在によりチーム全体がより向上していくということは十分ある得ることです。ドルフィンズにとってこのオフは金銭的にも余裕があるようなので、的確なFA補強でチーム力をより大きく向上させてもらいたいと思います。

最終的にどの選手をFAで獲得し、自チームのどの選手と再契約するのか、すべてはFAが解禁となる3月12日以降でないと全くわかりませんね。