過去の思い出の試合を振り返る企画、今シーズンの開幕カードである対ニューイングランドペイトリオッツ戦で2回やりましたが、好評であるし自分でも楽しいので、今シーズンの対戦相手毎に続けてみたいと思います。

というわけで、今回はレギュラーシーズン第2週の相手であるバッファロービルズについてです。第2週はビルズのホームゲームなので、過去のアウェイの対ビルズ戦の思い出の試合にふれてみます。

ビルズに関してはドルフィンズと同地区なので、毎年ホーム&アウェイで2試合ずつ行われます。それだけに過去の試合でもいろいろあるのですが、特に印象に残っているのはレギュラーシーズンゲームではなくてプレーオフでの試合です。

1990年シーズン、ドルフィンズは12勝4敗の成績でAFC東地区2位となりプレーオフに進出しました。プレーオフ第1ラウンドではカンサスシティチーフスを相手に第3Qまで3-16の劣勢でしたが、第4QにQBダン・マリーノが2つのTDパスを決めて逆転勝利しました。そして第2ラウンドでビルズと対戦することになります。

ビルズの本拠地(当時はリッチスタジアムという名称でした)で行われたこの試合は、氷点下で雪の降る、ドルフィンズにとっては苦手とするコンディションの下でのものとなりました。

QBジム・ケリーからWRアンドレ・リードへの40ヤードTDパスでビルズが先制した試合は、前半を終わってビルズが20-3とリードしました。後半に入ってマリーノがWRマーク・デューパーに64ヤードTDパスを決めれば、ケリーもWRジェームス・ロフトンに13ヤードTDパスを通しました。しかしその後マリーノが自ら2ヤードTDランを決めるなど激しく点を取り合いました。

第4Qに入って、マリーノがレシーバーとしてプレーに参加していたOGロイ・フォスターに2ヤードTDパスを決めて、ドルフィンズは30-27と3点差に迫りました。しかしRBサーマン・トーマスの5ヤードTDランで突き放したビルズは、直後のキックオフ時にファンブルリカバーでボールを奪うと、ケリーがリードに26ヤードTDパスを決めて44-27と試合を決定づけました。

敗色濃厚のドルフィンズは残り試合時間1分15秒でマリーノがWRトニー・マーチンに8ヤードTDパスを決めましたが、直後のオンサイドキックをリカバーすることができず、結局44-34でドルフィンズはビルズに敗れてしまいました。

1stダウン数は両チームとも24で同数、総獲得ヤード数もビルズの493ヤードに対してドルフィンズが430ヤードとあまり差がない中で、勝敗を分けたのはドルフィンズが2つのインターセプトを含む3つのターンオーバーを犯したのに対して、ビルズはターンオーバーが2つだったことが要因となりました。

この試合はNHKが衛星放送で初めてプレーオフの試合を生中継したものであったと記憶しており、私も早起きをして観戦しましたが、ビルズに終始リードされっぱなしで敗れたことで非常に落胆しました。特にビルズには80年代終りから90年代前半は負けることが多かったので、この試合もそうですが、何とかビルズにだけは勝ってほしいという気持ちで、いつもビルズ戦を見ていました。

ちなみにこの試合に勝ったビルズはスーパーボウルに進出し、ニューヨークジャイアンツと対戦しました。湾岸戦争の最中に行われた試合で、故ホイットニー・ヒューストンさんのアメリカ国歌斉唱が感動を呼びました。試合はKスコット・ノーウッドがFGを失敗したことによりビルズが敗れましたが、ビルズにとってはその後のスーパーボウル4連敗の始まりとなりました。