今シーズンのドルフィンズの第7週の対戦は、アウェイでの対シカゴベアーズ戦です。ベアーズも第6週の対戦相手グリーンベイパッカーズ同様NFCのチームですので、4年に1回しか対戦しません。少ない対戦結果の中で印象にのこっているものと言えば、1997年10月27日にマイアミで行われた一戦です。
この試合は非常に珍しい特別な一戦で、当初は10月26日の日曜日に開催が予定されていました。しかし、当時ドルフィンズの本拠地であったプロプレーヤースタジアム(現サンライフスタジアム)はメジャーリーグベースボールのフロリダマーリンズの本拠地でもありました。そしてその年マーリンズはクリーブランドインディアンスとワールドシリーズを戦ったんですが、その第7戦がマーリンズの本拠地で行われることになりました。
したがって、26日に予定されていたドルフィンズとベアーズの試合とワールドシリーズ第7戦が重なることになり、ドルフィンズの試合が翌日の27日に延期されることとなりました。その結果NFLではその週にマンデーナイトゲームが2試合行われることになったのです。
試合開始前はドルフィンズが圧倒的に有利だとされていました。それもそのはずで、この年ベアーズは開幕から7連敗を喫しており、1勝もできないままこの試合を迎えていました。しかし第1Qにいきなりターンオーバーを喫してベアーズに先制を許したドルフィンズは、第2QにもQBダン・マリーノがエンドゾーン内でQBサックを浴びてセーフティを献上するなど、前半を終わって13-15とベアーズにリードを許しました。
それでも第3QにCBテレル・バックリーのファンブルリターンTDで逆転したドルフィンズは、その後第4QにマリーノからTEトロイ・ドレイトンへの22ヤードTDパス、RBカリム・アブドル-ジャバーの2ヤードTDランがたて続けに決まって、残り試合時間およそ7分となったところで33-18とほぼ勝利を手中に収めたと言ってもいい状況になりました。
しかしここから試合の流れは一変、ベアーズ側に傾いていくことになります。2TD以上の差をつけたということでドルフィンズのディフェンスが気を抜いたのかもしれませんが、ベアーズはQBエリック・クレイマーがWRボビー・イングラムに8ヤードのTDパスを通して、わずか1分半で8点差に迫りました。
直後のドルフィンズの攻撃はスリー&アウト、さらにベアーズの攻撃を止めた後の攻撃でもスリー&アウトとなって、またベアーズにチャンスを与えてしまいました。ベアーズはこのチャンスを活かし、クレイマーがWRクリス・ペンに25ヤードのTDパスを通し、さらに2点コンバージョンもクレイマーからイングラムへのパスが決まって、残り試合時間1分20秒で遂に33-33の同点に追いつきました。
こうなると試合の流れは完全にベアーズのものとなりました。オーバータイムに入って最初に攻撃権を得たドルフィンズでしたが、3回連続で反則を犯した上にパントで攻撃終了、それでもベアーズの攻撃を抑えて再び攻撃権を得たんですが、RBバーニー・パーマリーが1stダウン更新となるはずのパスを落球したあげく、マリーノがQBサックを浴びてボールをファンブルし自陣18ヤード地点でターンオーバーを犯してしまいました。
そして最後はベアーズがKジェフ・ジェーガーの35ヤードFGで乱戦に決着をつけています。ドルフィンズの敗因としては、確かにディフェンスが気を抜いてしまいやすやすとTDを許してしまったこともありますが、33-25となった後からオーバータイムで敗れるまでの間にベアーズディフェンスのブリッツに対処できなかったところにあったと言えます。ベアーズのブリッツに翻弄されたために反則を重ねたり、パスを落球したり、致命的なQBサックを受けたりしてしまいました。
マイアミのスポーツファンにとっては、マーリンズのワールドシリーズ制覇の翌日にドルフィンズのマンデーナイトでの勝利を見るはずだったでしょうが…。私自身も当然ドルフィンズが勝つだろうと思っていましたので、結果を知って信じられない思いでした。
ちなみに昔はNFLとMLBの兼用スタジアムはマイアミ以外にもいくつかあったんですが、このようなケースは他にはなかったと記憶しているんですが、もし間違っていたらごめんなさい。