ドルフィンズのレギュラーシーズン第17週の対戦相手は、ホームでの対ニューヨークジェッツ戦です。ジェッツとの対戦で記憶に新しいところでは、昨シーズンの最終戦で、勝てばプレーオフ進出という試合で惨敗してしまったということでしょうが、今シーズンも昨シーズン同様、最終戦がホームでのジェッツ戦です。それだけに昨年の二の舞は絶対に避けてもらいたいところです。
ただ、今回振り返るホームでの対ジェッツ戦は、1995年シーズンの開幕戦で行われた試合です。1995年シーズンといえば、偉大なるHCドン・シューラの最後のシーズンとなるわけですが、そのシーズンの開幕戦でドルフィンズはジェッツに圧勝し好スタートを切りました。
この試合、第1Qは両チームとも得点がなかったんですが、第2Qに入ってドルフィンズがRBバーニー・パーマリーの24ヤードTDランで先制、さらにファンブルリカバーからチャンスをつかむとQBダン・マリーノからWRアービン・フライヤーへの4ヤードTDパスが決まって14-0とリードしました。
しかしジェッツもDEマット・ブロックの3ヤードファンブルリターンTDで7点を返し、CBオーティス・スミスのインターセプトをきっかけにQBブーマー・アサイアソンからWRチャールズ・ウイルソンへの6ヤードTDパスで同点に追いつきました。
しかしドルフィンズは前半終了間際、マリーノからTEキース・バイヤースへの1ヤードTDパスで勝ち越し、21-14でハーフタイムを迎えました。
ドルフィンズは前半に2つのインターセプトと2つのファンブルロストの計4つのターンオーバーを犯しているんですが、それにもかかわらず前半をリードして終えたということがこの試合の勝因の1つと言えるでしょう。
後半に入ると一方的なドルフィンズペースで、第3Qにはパーマリーの4ヤードTDラン、CBトロイ・ビンセントの69ヤードインターセプトリターンTD、さらにマリーノからフライヤーへの50ヤードTDパスとたたみかけて21点を追加して42-14とほぼ試合を決定づけました。
そして第4QにはKピート・ストヤノビッチの25ヤードFGとRBアービン・スパイクスの17ヤードTDランでさらに10点を追加してジェッツに止めを刺しました。
マリーノが3TDパスを記録、またディフェンスも4つのインターセプトと2つのファンブルリカバーで計6つのターンオーバーを奪い、計52得点をあげる派手な勝利にそのシーズンのドルフィンズの躍進に大いに期待したものでした。
ただ、改めて振り返ってみると、非常に大味な試合で、相手がもっと強いチームだったらおそらく前半にリードを奪われて苦しい試合展開になっていたと思います。後半の31得点というお祭り騒ぎ的な試合内容が前半のミスの反省点を隠してしまったような気がします。
ちなみに、開幕戦で圧勝したドルフィンズでしたが、そのシーズンの中盤からチーム状態は悪くなり敗戦が目立つようになりました。最終的には9勝7敗でプレーオフには滑り込んだんですが、初戦でバッファロービルズに大敗しシーズンを終了しました。
マリーノを筆頭にフライヤー、バイヤース、パーマリー、さらにWR O.J.マクダフィーやTEエリック・グリーン、RBテリー・カービーといったオフェンスの選手、そしてビンセント、LBブライアン・コックス、DTティム・ボウエンス、DEトレース・アームストロングなどのディフェンスの選手が揃っており、非常に充実した戦力だったと思うのですが、シューラ最後の年としては残念な結果に終わりました。
『船頭多くして船山に登る』などと言いますが、そのシーズンのドルフィンズはまさにそんな状態で、リーダー的な要素が強い選手が揃っていたために、チームの統率が取れにくかったということが成績に反映したのかもしれません。