現在連勝中の新生ドルフィンズにとって最大の難敵であり、チームの真価が問われるニューイングランドペイトリオッツとの対戦です。ペイトリオッツは現在開幕6戦全勝で、その強さが際立っています。
戦前の予想でもドルフィンズの勝利を予想する人は地元マイアミの記者でも皆無ですし、ドルフィンズファンの中でも少ないと思われます。それほどペイトリオッツが強いと考えられているわけですが、特に今回はペイトリオッツのホームゲームなのでなおさらです。
ホームゲームではほとんど負けないペイトリオッツですが、さらにQBトム・ブレイディがホームで負けたというのは2012年シーズンまでさかのぼるようで、昨年、一昨年とブレイディはホームゲームで負けていないんですね。そのペイトリオッツにドルフィンズがどんな形で挑むのか、今回の対戦は全米中継ですし注目度は非常に高いのではないかと思います。
ただ、いくらペイトリオッツが強いとはいえ、ドルフィンズが勝てる可能性がゼロかというとそうではありません。ドルフィンズ勝利のポイントとしては次のようなところがあげられます。
1 ブレイディにプレッシャーをかけること
本当に強いペイトリオッツですが、オフェンシブラインには不安があり、ブレイディは過去3試合で10回QBサックを受けています。ドルフィンズのパスラッシュはDEキャメロン・ウェイクが過去2試合で6QBサックをあげており、このウェイクを中心としたパスラッシュでブレイディにプレッシャーをかけることが必要です。
2 ランプレーで時間を消費すること
RBラマー・ミラーは平均6.0ヤードのラッシングを記録しており、これはNFLのRBの中でトップの成績です。対するペイトリオッツのディフェンスは相手チームに対して平均4.5ヤードのラッシングを許しています。ランプレーで時間を消費すればブレイディに与える攻撃時間も制限できます。
3 TEロブ・グロンコウスキーへのパスを防ぐこと(特にレッドゾーン内で)
ペイトリオッツはレッドゾーン内でのTD率は71.4%でNFLトップを誇っています。その中核となっているのがグロンコウスキーですが、グロンコウスキーをカバーするのは非常に難しく、パスを防ぐことも容易ではありません。しかしそれをしっかりと防がなければドルフィンズの勝利は難しいでしょう。
4 ペイトリオッツHCビル・ベリチックの裏をかくこと
ドルフィンズが最後にペイトリオッツのホームで勝利したのは2008年で、その時にはワイルドキャットという奇策で勝利しました。ベリチックは戦術に長けているので普通の戦術で試合に臨んでもすぐに対応策をとられてしまいます。ベリチックの裏をかく、予期せぬ戦術を立てることが必要でしょう。
5 QBライアン・タネヒルを守ること(特に3rdダウン時)
ペイトリオッツは6試合で21QBサックを記録しています。一方のドルフィンズはオフェンシブラインのパスプロテクションに不安を抱えており、また3rdダウン時の1stダウン更新率はNFLワーストの28.6%です。3rdダウンのパスシチュエーションの時にタネヒルをペイトリオッツのプレッシャーから守ることが重要です。
ペイトリオッツは確かに強くスキがないチームだと思います。しかし、試合に勝つには選手全体のモチベーションとかチームの結束力が大きな力になると思います。その意味では今のドルフィンズはペイトリオッツに対抗できる状況にあるのではないでしょうか。
タネヒルは第7週のAFC週間最優秀選手に選出されました。先週の対ヒューストンテキサンズ戦でのパフォーマンスを見れば当然の結果だと思います。ドルフィンズのオフェンスはそのタネヒルを中心に非常に勢いづいています。またディフェンスも過去2試合では目覚しく、こちらも打倒ペイトリオッツに対して士気が上がっているでしょう。
チーム一丸となった新生ドルフィンズがどう挑むのか、またどんな戦術を持って臨むのか、この試合を見届けたいと思います。ファンとしてはドルフィンズに勝ってもらいたいですが、勝負に関係なく自信を持って全力でぶつかってもらいたいと思います。今のドルフィンズはペイトリオッツに十分対抗できるチーム状態だと確信しています。