先週の対ジャクソンビルジャガーズ戦で嫌な負け方をしたドルフィンズですが、今週末はもっと嫌な対戦相手であるバッファロービルズとの試合です。ドルフィンズはビルズに苦手意識のようなものを持っていて、しかもビルズのHCはレックス・ライアンですから、さらに嫌らしい状況です。

ビルズに対する苦手意識の最も大きなものは強力なディフェンシブラインです。オフェンシブラインに不安のあるドルフィンズにとってはランプレーを止められて、さらにQBライアン・タネヒルにパスラッシュをかけられるということで思うようなオフェンスが展開できません。そのあたりが試合中はもちろん、試合前からもプレッシャーをかけられる部分だと思います。

しかし、この試合はドルフィンズにとって今シーズンのホームでの開幕戦です。その意味でも、また同地区のライバル対決でもありますので、なんとしても勝ちたい試合です。この試合にいい勝ち方をすれば、先週の敗戦で落ち込んでいたチームのムードも変わってきますし、勢いもついてくると思うのですが。

というわけで、この試合のドルフィンズの勝利のポイントは次のようなところです。

1 ランプレーを出すことが必要
ドルフィンズのランプレーは今シーズン2試合で平均3.4ヤード獲得で、これはNFLで26位という成績です。逆にビルズのランディフェンスは相手チームに対して平均3.8ヤードしか許していません。加えてドルフィンズはエースRBラマー・ミラーが足首を痛めていて万全の状態ではありません。ビルズ相手にランプレーを挑むことは厳しいでしょうが、それでもランを出していかなければ勝つことは難しいでしょう。

2 ドルフィンズのオフェンシブライン対ビルズのディフェンシブライン
QBライアン・タネヒルはこれまで5回しかQBサックを受けていませんが、より多くのプレッシャーを受けています。ドルフィンズのオフェンシブラインがタネヒルを守ることが必要ですが、プロボウルLTブランデン・アルバートが欠場濃厚です。ビルズのディフェンシブラインには3人のプロボウラーがおり、ドルフィンズは相当苦しめられるでしょう。

3  ディフェンシブラインの覚醒なるか
今シーズン開始前、ドルフィンズのディフェンシブラインはNFLでトップクラスだと言われていました。しかし開幕して2試合、わずか1QBサックしか記録できず、相手チームには平均142ヤードのラッシングを許しています。DTダムコン・スーは期待外れ、DEキャメロン・ウェイクとオリビエ・バーノンは怪我を抱えています。もし同じような状況ならば、ビルズのRBルショーン・マッコイを中心としたランプレーに苦しめられるでしょう。

4 スペシャルチームが堅実にプレーすること
昨年の最初の対ビルズ戦で、ドルフィンズはジャービス・ランドリーがパントリターン時に2つのファンブルを犯して敗戦の要因を作ってしまいました。また先週の対ジャガーズ戦ではKアンドリュー・フランクスが42ヤードのFGをミスしています。スペシャルチームがミスのない堅実なプレーをすることが勝利に結びつく要因となります。

5 3rdダウンコンバージョンを成功させること
ビルズのディフェンスはここまでの2試合で相手チームに対して44%の確率で3rdダウン時に1stダウン更新を許しています。数字はよくないですが、しかしこれは相手QBがアンドリュー・ラックとトム・ブレイディだったことを割り引いて考えなければいけません。ドルフィンズの3rdダウンコンバージョン成功率は37%でNFL22位です。3rdダウン時にしっかりと1stダウン更新を重ねていくことが勝利に直結します。

この他にもポイントはいくつかあると思いますが、勝つためにはやはりオフェンスが得点を重ねていくことが最も重要だと思います。昨年の対ビルズ戦2試合目ではオフェンスが短く速いパスを多用してビルズのディフェンスを攻略していました。今回の対戦でもその戦術は有効だと思いますが、ビルズも当然警戒してくるところだと思います。

ドルフィンズはアルバート、ミラー、ウェイクの他にもTEジョーダン・キャメロンやディオン・シムズ、DTアール・ミッチェルといった主力に怪我人が多く苦しい戦いを強いられそうですが、ミスを少なくして、どんな形でもいいからこの試合に勝利してもらいたいと思います。勝てばチームにとって大きな自信となることでしょう。期待しています。