1stダウン更新回数8回、総獲得ヤード数219ヤード、ボール保持時間21分51秒、そしてQBライアン・タネヒルはパス19回投中9回成功で86ヤード獲得…これらの数字だけを見ると、とても勝利チームのスタッツではないのですが、結果は15-13でドルフィンズが勝利しました。

オフェンスのプレーコール担当がビル・レイザーからザック・テイラーに代わって初めての試合だったのですが、オフェンスのプレーはラン26回に対してパス19回と結果的にバランスの取れた攻撃はできていたと思います。

勝利の立役者は何と言ってもディフェンスで、2つのインターセプトをいずれも得点に結びつけたことが大きく、逆にRBラマー・ミラーのファンブルロストで失点を防いだのが鍵となりました。と言ってもこれはレイブンズがFGを失敗してくれたので相手のミスですが、1stダウンを更新させなかったディフェンスも評価されていいと思います。

それからディフェンスの殊勲といえば、第2Qのゴールラインディフェンスでした。自陣2ヤード地点での3rdダウン残り1ヤード、そして4thダウン残り1ヤードでいずれもランプレーをノーゲインに止めました。ちなみにいずれも新人DTジョーダン・フィリップスが絡んでいました。NFLワーストと言われているランディフェンスですが、このようなプレーもできるのですから、もっと自信を持ってプレーしてもいいのではないかと思います。

このフィリップスは最初のインターセプトでも貢献しており、QBマット・ショーブのパスを弾いています。その弾かれたボールが幸運にもSレシャッド・ジョーンズの頭上に飛んできたのでインターセプトとなっています。

また2度目のインターセプトもDEデリック・シェルビーがパスを弾いて、それが幸運にもシェルビーがキャッチできるところにあったので、そのままリターンTDともなりました。2つのパスディフェンスが両方ともドルフィンズ側に有利に働くとは、本当に信じられない幸運だったと思います。

あともう1つドルフィンズが助けられたのは第1Qでの審判の判定で、ショーブからWRダニエル・ブラウンへの52ヤードTDパスが反則で取り消されたことです。これはブラウンのパスインターフェアの反則だったんですが、ビデオリプレイで見る限り、そんなに明らかな反則でなく、場合によれば取られなかったようなものだと思ったのですが、これもドルフィンズ側に有利に働きました。

そういういろいろな要素が重なってのドルフィンズの勝利だったのですが、この試合で光ったのは新人選手の活躍でした。前述のフィリップスの活躍もしかり、そして唯一のオフェンスTDとなった38ヤードのTDパスレシーブを決めたWRデバンテ・パーカーのプレーも素晴らしかったと思います。

パーカーはこの試合で3回のパスレシーブで63ヤードを獲得しているんですが、先週の試合に続いて2試合連続でTDパスレシーブを記録しました。WRリシャード・マシューズに代わって先発出場したんですが、マシューズが復帰してもプレー回数を減らすことなく起用してほしいです。ちなみにシーズン終了後にFAとなるマシューズを引き止める必要はなく、来シーズンのWRはパーカーとジャービス・ランドリーの先発でいくべきだと思いますが、いかがでしょう?

またもうひとりの新人選手はCBボビー・マッケインです。この試合で初先発を果たしていますが、ショーブに結構狙われていました。新人らしく厳しい場面もあったんですが、概ねカバーリングはよかったように思えました。記録的にもチーム3位の7タックルと1パスディフェンスで及第点ではないでしょうか。

勝ったとはいえ、やはり問題は低調なオフェンスです。この試合ではミラーのランプレーに助けられたんですが、得点力のなさに加えてタネヒルの不安定なプレーが気になります。一部では次のQBを探したほうがいいのではないかということも言われているようですが、結論を出すには早いと思います。今年は特にメンタル的な部分も影響していると思うので、そこがクリアできればいいのですが…と言ってもあと4試合では難しいですかね。

とはいえ、どんな酷い勝ち方でも勝ちは勝ちです。強いものが勝つのではなく勝ったものが強いのですから、ドルフィンズの選手たちはこの勝利に胸を張っていいと思います。今シーズンも残り4試合となりましたが、次の試合も楽しみにしたい、そしてこの勝利をつなげていってもらいたいですね。