第50回スーパーボウルはデンバーブロンコスがカロライナパンサーズに勝利したんですが、その試合を見ていて感じたのは両チームのディフェンスの素晴らしさでした。その中でもLB陣のプレーは印象に残っており、ドルフィンズとのレベルの違いを認識させられました。

来シーズンに向けてドルフィンズはLB陣のグレードアップが求められるわけですが、FAやドラフトでの人材確保が必須です。ドルフィンズのLB陣はこの3年間落ち込んでいっており、それがディフェンス全体の低下にもつながっています。

2012年にはカルロス・ダンスビーとケビン・バーネットの2人が先発LBとしてチームを支えていました。しかし2013年にその2人がいなくなり、代わりにダネル・エラビーとフィリップ・ウィーラーを入れたところからLB陣の質は悪くなっています。

エラビーは移籍前のボルチモアレイブンズでは主にアウトサイドLBとしてプレーしていたんですが、ドルフィンズに来てからはインサイドLBを任されました。しかし結局思うように実力を発揮できず、翌2014年はシーズン開幕戦で怪我をしてそのままシーズンアウトとなりました。

またウィーラーは移籍前のインディアナポリスコルツやオークランドレイダースではパスラッシャーとしての活躍が目立っていたんですが、ドルフィンズではパスラッシャーとしては使われませんでした。その結果こちらも実力が発揮できず、翌2014年には控えに降格しています。

また2014年には本来アウトサイドLBだったコア・ミーシーをインサイドLBにコンバートしたんですが、こちらも不慣れなポジションだったのか成功せず、翌2015年にはまたアウトサイドLBに戻しています。

そして2015年はインサイドLBにケルビン・シェパードを起用しました。しかしそれでも上手くいかず、シェパードは Pro Football Focus の評価では97人中84番目のプレー内容だったということです。

同じく2015年は開幕前にはクリス・マッケインを先発アウトサイドLBに起用する予定だったんですが、マッケインはどちらかというとDEとして実力を発揮するタイプだったようで、アウトサイドLBとしては使えませんでした。

このようにそれぞれの選手の個性を見極められずに使い方を誤った結果がLB陣の質の低下を招いてきたと思います。これはその時のLBコーチにも大きな責任があると思われるので、今回新政権になってLBコーチも代わっているので、新しく就任したマット・バークには正しい仕事をしてもらいたいと思います。

サラリーキャップに余裕のないドルフィンズにとってはFAで優秀なLBを獲得するのは難しく、ドラフトでいい選手を引き当てるというのが現実的かもしれません。ちなみに現時点で最も評価が高いインサイドLBはアラバマ大学のレジー・ラグランドという選手だということですが、全体8番目の指名権を持つドルフィンズが、その時にラグランドを指名するかどうかはわかりません。当然先に指名される可能性もありますし、ドルフィンズの場合補強すべきポジションは他にもあるからです。

いずれにしてもLBのポジションをグレードアップさせなければディフェンス全体の向上はありません。逆にこのLBがしっかりしてくればディフェンス全体が安定してくると思うので、しかるべき補強をしてLB陣を整備してもらいたいと思います。