ドルフィンズとダラスカウボーイズのプレシーズンゲーム第2戦ですが、予想外の大差がついた試合となりました。ドルフィンズが完膚なきまでにカウボーイズに叩きのめされたという結果だったんですが、プレシーズンゲームですから勝敗は関係なく、この敗戦をレギュラーシーズンにどう活かしていくかが課題となります。

注目は先週の対ニューヨークジャイアンツ戦で不調だった1stチームのオフェンスでした。計4回の攻撃シリーズでプレーして、最初こそスリー&アウトで不安定なスタートだったんですが、その後の3シリーズではいずれも得点チャンスをつかんだのはよかったと思います。

そのうち2回でQBライアン・タネヒルがWRケニー・スティルスにTDパスを通したんですが、残りの1回も敵陣4ヤード地点まで攻め込んで、レギュラーシーズンならばFGを蹴るところでしょうが、ギャンブルを敢行してパス失敗となっています。

ただ、そのドライブも敵陣4ヤード地点からのプレーでTEジョーダン・キャメロンかWRジャービス・ランドリーがパスを落球しなければTDを取れていたので、内容的には1stチームオフェンスで3つTDを取ったと言ってもいいかもしれません。

ここで気になるのは、ランドリーはともかく、特にキャメロンはあの場面でしっかりとパスをレシーブしてTDを決めてほしかったです。今年はTE、特にキャメロンの活躍が期待できそうだったので、この落球によって信頼感が薄れ、キャメロンへのパスが減少してしまうことが懸念されます。まあ、そんな単純なものではないでしょうが、キャメロンには元プロボウラーとしての堅実なプレーを期待します。

WRデバンテ・パーカーが出場して、ランドリーとスティルスの3人が同時にフィールドに立つと相手のディフェンスに対してはかなり脅威を与えられそうです。その結果TEやRBの選手にもパスが通りやすくなると思うので、攻撃の幅は広がってくるのではないかという印象を受けました。

あとオフェンスではRBアリアン・フォスターが初出場でしたが、2キャリーでマイナス5ヤードといいところがありませんでした。ただし、フォスターにとってはとにかくプレーができたということでよかったと思います。ベテランなので開幕までに調整してくれればいいと思います。

それとこれも懸念材料であったオフェンシブラインですが、この試合での1stチームはRGジャーモン・ブッシュロッド、LGラレミー・タンシルでした。特に大きな問題もなくプレーしていたように思えましたので、もしかしたらこの2人が開幕時の先発になるかもしれません。その後RGビリー・ターナー、LGダラス・トーマスという形でプレーしていたのでまだ競争している時点なのかもしれませんが、次の試合で誰が先発するのかでおおよそ決まってくるのではないでしょうか。しかしブッシュロッドとタンシルはいずれも本職ではないので不安は残りますが。

もう1つオフェンスで注目はRBアイザイア・ピードです。この試合ではランでは4キャリーで48ヤード獲得、パスレシーブでも1回で30ヤード獲得と活躍しています。正直言ってあまり期待はしていなかったんですが、フォスターやジェイ・アジャイと違うタイプの選手なので使い方次第では大化けするような気がします。

先週のジャイアンツ戦でよかった新人QBブランドン・ドーティですが、この試合ではまったくいいところがありませんでした。もしかしたら第2QBになるかと思ったんですが、まだ難しそうです。特にこの試合で現在第2QBのマット・ムーアが脳震とうを起こしているので、ムーア自身はもちろん、第2QBの存在についても心配です。ムーアの脳震とうが長引くようだとベテランQBを補強しなければいけないかもしれません。

一方、この試合で散々だったディフェンスですが、確かに相変わらずミスタックルなども目立っておりよくなかったのですが、見ていて感じたことはそれ以上にカウボーイズの勢いというかオフェンスが素晴らしかったと言わざるを得ません。オフェンシブラインが安定していたのと、あとは新人QBダック・プレスコットのプレーは出来過ぎじゃないかと思うぐらい素晴らしかったです。トニー・ロモに変わって先発でもいいのではないかと思えるほどでした。

それとカウボーイズはオフェンシブラインを中心としてブロッキングが完璧だったと思います。そのブロッキングの良さがロングゲインにつながっていました。また控え選手に変わってもブロッキングはしっかり出来ていたと思いますので、チーム全体でそれが徹底しているのではないかと感じました。そこはドルフィンズも見習うところでしょうね。

まあ相手チームのことはともかく、ドルフィンズのディフェンスに関してはちょっと残念でしたが、それほど心配はしていません。まだプレシーズンゲームだということと、あとはこれを反省材料として次に活かしてくれればいいと思っています。ドルフィンズのディフェンスはトレーニングキャンプ中ずっと調子がよかったので、逆にこの結果がいい薬となってレギュラーシーズンに向けて調整してくれることを期待しています。