ドルフィンズがホームにピッツバーグスティーラーズを迎えるこの試合ですが、両チームの差は歴然で、ドルフィンズが1勝4敗で地区最下位なのに対して、スティーラーズは4勝1敗で地区首位です。順当にいけばこの試合はスティーラーズの勝利、しかもただの勝利ではなくて圧勝する可能性が高いです。

スティーラーズは4勝している試合ではいずれも相手チームを16点以下に抑えています。そして4勝のうち3勝が31点以上の得点をあげています。今シーズン5試合での平均得点は27.8点、トータルオフェンスは401.2ヤードでランオフェンスが102.0でNFL14位、パスオフェンスが299.2ヤードで同3位となっています。

ディフェンスはランが77.0ヤードでNFL5位、パスが307.6ヤードで同30位となっており、一見するとパスディフェンスが悪いように思えます。しかしこれはランディフェンスが強いから相手チームはパスプレーを多くせざるを得ない、また大差をつけれられるから試合終盤には数多くパスプレーを出さなければいけないという結果であって、決して数字だけで判断はできません。

一方のドルフィンズはオフェンス、ディフェンス共に不振、というか今シーズンの5試合を見る限りでは今の実力そのものだとも言えます。オフェンスはランがNFL31位、パスが24位、またディフェンスはランが32位、パスが16位です。パスディフェンスも数字ほどはよくなくて、パスラッシュが効かずパスカバーもできないということで、数字よりはずっと悪い印象があります。

この両チームが似ていることといえば、いずれも先発選手に怪我人が多いということです。ドルフィンズは先週の対テネシータイタンズ戦を迎えるにあたって7人の先発選手が怪我で出場できませんでした。その結果勝利するだろうと思われていた試合に30-17と惨敗しています。

特にオフェンシブラインでLTブランデン・アルバートとLGラレミー・タンシルが欠場したことでQBライアン・タネヒルは6つのQBサックを浴びるなどオフェンスが停滞したことが敗戦の一因と指摘されています。

一方のスティーラーズも先週の対ニューヨークジェッツ戦では4人の先発選手がプレーできず、さらに試合中にはキャプテンのDEカム・ヘイワードが怪我をしています。しかしそれにもかかわらず試合には31-13でジェッツに圧勝しています。

この両チームの違いは何なのかということですが、細かいことはわかりませんが、オフェンス、ディフェンスのシステムの問題、または首脳陣の問題、そして個々の選手の能力や控え選手の充実度などが考えられると思います。ただ、根本的なところからチームの作り方みたいなところが違うんだろうと思います。

スティーラーズは誰か1人の選手が欠場してもその代わりに入った選手が同等のプレーができるのに対して、ドルフィンズの方は先発選手が欠場してしまうと代わりに入った選手はほぼ活躍できないということになっています。サラリーキャップやFAという制度により控え選手の実力にそれほど大きな差があるとは思えないので、そこが勝てるチームと勝てないチームの差となっているんでしょう。

この試合でもドルフィンズではTEジョーダン・キャメロンとCBザビアン・ハワードの欠場が決定しているほか、RBアリアン・フォスターやSレシャッド・ジョーンズがプレーできない可能性があります。一方スティーラーズではヘイワードを含む5人の先発選手が欠場する見込みですが、これでドルフィンズが有利になるという見方はまったくできないのが現状です。

100%負けるという試合はありえないわけで、勝つ可能性はほんのわずかでもあるもの残されていますが、正直な話ドルフィンズが勝てるとは思えません。こう考えざるをえないことがファンとしては非常に残念というか、ある意味腹立たしいものもあります。

この試合、ドルフィンズはおそらく今までと同様にRBレベオン・ベルのランが止められず、QBベン・ロスリスバーガーからWRアントニオ・ブラウンへのパスが防げず、そしてオフェンスは3rdダウンが更新できずスリー&アウト、ランプレーが出ずタネヒルがプレッシャーを受け続けるという展開で、序盤からスティーラーズペースに終始すると思います。

ただ、そんな中でも先週のタイタンズ戦でのPRジャキーム・グラントのパントリターンTDのような光るプレーを1つでも多く見せてもらいたいと思います。そしてオフェンスではとにかく1stダウンを更新してドライブを続けてもらいたい、それを積み重ねていけば得点は取れないまでも必ずオフェンスが変わってきます。オフェンスが変わればディフェンスも少しずつよくなってくると思います。

この試合はそれができるかどうかに注目したいですし、それができてくれば相手も少なからず焦りやプレッシャーを感じてきます。そうすればあるいは光明も見えてくるのかもしれません。