4連勝中のドルフィンズが5連勝をかけて現在4勝5敗のロサンゼルスラムズと対戦します。そのラムズですが、この試合で今年のドラフト全体1番目指名のQBジャレッド・ゴフが先発します。

ラムズの本拠地で新人QBがデビューするということで、地元ファンは大いに盛り上がるでしょう。対戦相手のドルフィンズにとってはゴフのデータはほとんどないでしょうし、やりにくい相手となるかもしれません。

ラムズは平均得点が15.4点でこれはNFL最下位の成績です。先週の対ニューヨークジェッツ戦では勝利したとはいえ、9点しか取れず、しかもオフェンスでのTDはありませんでした。トータルオフェンスは31位で、ランが29位、パスが25位といずれも低迷しています。ただし、これはゴフが先発したものではありませんが。

新人QBが先発するということで、ラムズのオフェンスはランオフェンスを中心として攻めてくる可能性が高いです。そのラムズのランオフェンスを支えるのがRBトッド・ガーリーですが、今シーズンは167キャリーで515ヤード(平均3.1ヤード)獲得とあまりいい数字ではありません。

これに対してドルフィンズのランディフェンスはNFL30位ですが、先週の対サンディエゴチャージャース戦ではチャージャースのRBメルビン・ゴードンを70ヤードに抑えています。ドルフィンズはまずはこのガーリーのランプレーをしっかりと止めることが勝利の鍵と言えます。

この試合でのドルフィンズの最大の懸念材料はオフェンシブラインに怪我人が出ているということです。LTブランデン・アルバートは手首を痛めてこの試合だけでなく少なくとも2週間はプレーできないということです。またCマイク・パウンシーも臀部を痛めて欠場することになっています。

アルバートの代わりにはLGを務めていたラレミー・タンシルがLTに移り、LGにはクレイグ・アービックが入り、パウンシーの代わりには控えCのアンソニー・スティーンが入ります。この連勝を支えていたのは5人の先発オフェンシブラインが揃っていたからで、先発選手が欠けていた最初の5試合では1勝4敗の成績に終わっています。

ラムズのディフェンスはランが17位でパスが8位となっています。ドルフィンズはやはりRBジェイ・アジャイのランプレーを中心にオフェンスを組み立てていくことになるでしょうが、先発選手が欠けているオフェンシブラインで連勝中のようなランが出せるかがポイントとなります。

ランオフェンスが上手く機能しなければパスオフェンスも機能しにくくなります。QBライアン・タネヒルはチャージャース戦でパス24回投中17回成功で240ヤードを獲得し2TDパスを記録しました。しかしラムズは過去3試合で相手チームのパスオフェンスをいずれも200ヤード以下に抑えていることもあり、パスディフェンスには自信を持っていると思われます。

今回アルバートとパウンシーが抜けるドルフィンズがどんな戦い方をするのが注目されます。またシーズン序盤の状況に落ち込むのか、あるいは連勝中の勢いを持続させるのかということになりますが、とにかく先に得点を取って試合を優位に進めたいところです。

ゴフのプレー内容がよくわからないので試合展開を予想するのが難しいんですが、一般的には新人QBのデビュー戦というのはパスラッシュをかけてプレッシャーを与えていけば、ミスを誘発させてターンオーバーを奪えるということになるんですが、今年のNFLでは新人QBが活躍していますので試合が始まってみなければわかりません。

ドルフィンズのディフェンスはここ3試合で5.5QBサックを記録しているDEキャメロン・ウェイクをはじめディフェンシブラインは好調です。またチャージャース戦ではQBフィリップ・リバースから4インターセプトを奪いました。ガーリーのランを止めてゴフにプレッシャーをかけ続ければ、ラムズも得点力の乏しいチームですので抑えることは難しくないと思われます。

ラムズは先週勝利したにも関わらずQBを交代させたということに何か不気味なものも感じるんですが、序盤でゴフにリズムを掴ませないことが試合を優位に進めるためには重要です。

ただ、ドルフィンズとしてはディフェンスが抑えてもオフェンスがチャンスで確実に得点していかないと、ロースコアゲームになるとスタジアムの雰囲気も変わってきて、ラムズの士気も上がってくると思います。そうなるとアウェイのドルフィンズとしては追い込まれた形になって、最後には敗れてしまうということにもなりかねません。

戦前の予想ではドルフィンズが圧倒的に有利とされていますが、だからといって相手を舐めてかかっては勝つことは難しいです。それと連勝中でも反則が目立っていますので、それをできるだけ少なくしなければいけません。特にメジャーペナルティは相手に勢いを与えてしまいますので、不必要な反則は絶対に犯さないことです。