NFL.comのウェブサイトで、2008年のドラフトをやり直したら1巡目指名はどんな結果になるか、という企画をやっていました。毎年ドラフトの前になると過去のドラフトのやり直しの企画は近年必ず行われています。

そしてそのやり直しの結果は、ドルフィンズの1位指名選手はボストンカレッジのQBマット・ライアンだということになっています。

2008年のドラフトといえば、前年1勝15敗というチーム史上ワーストの記録に終わったドルフィンズが全体1番目の指名権を持っていました。そしてその指名権を使って指名したのがミシガン大学のOTジェイク・ロングでした。

当時ドルフィンズはビル・パーセルズがフロント入りして、トニー・スパラノをヘッドコーチに据えてチーム再建を目指したシーズンでした。注目の全体1位指名はジェイク・ロングかバージニア大学のクリス・ロングのどちらかだろうと予想されていたような気がします。ライアンの予想もあったと思いますが、あまり記憶にありません。

結果的にジェイク・ロングを指名したドルフィンズは2巡目指名で同じミシガン大学のQBチャド・ヘニーを指名して将来の先発QB候補としています。その年のFAでQBジョシュ・マッカウンを獲得していますので、ヘニーはいきなり先発というわけではなく、ある程度育ててから使うという計画だったと思います。

ただ、トレーングキャンプなどの結果で先発QBが定まらなかったドルフィンズは、突然解雇されたチャド・ペニントンを獲得して先発QBとして起用しました。そしてワイルドキャットという秘密兵器なども手伝って、ドルフィンズはその年に地区優勝を果たしています。

しかしその翌年にペニントンの故障により先発QBに抜擢されたヘニーは期待に応えられず平凡な成績に終わり、あげくにパーセルズに失格の烙印を押されてしまいました。

もし2008年のドラフトでライアンを指名していたらペニントンを獲得することもなかったでしょうし、ワイルドキャットという秘密兵器も登場しなかったかもしれません。また、ドルフィンズもその後何回かはプレーオフに進出していたのかもしれません。

その当時、ジェイク・ロングを獲得したことにより、これでドルフィンズのLTは10年間は安泰だ、などという話題も出ていましたが、結局ジェイク・ロングは怪我のために5年もドルフィンズに在籍することはありませんでした。またその裏返しで、ライアンがドルフィンズに入っていても、今のように大成していたかというとその保証はなかったと思います。

そう考えると、いつも思うのですが、ドラフトというのは本当に予測ができないもので、ほとんどギャンブルに近いです。また、選手も指名されるチームによって明暗がはっきりと分かれたりします。才能のある若い選手の一生を大きく左右するものだと思うと、ある意味怖い気もします。