マイアミドルフィンズとデンバーブロンコスは昨シーズンは合わせて19勝をあげた、AFCでも優れたチーム同士でした。しかし、今シーズンはこの対戦を迎えるにあたって共に連敗中で、大きく期待を裏切る結果となっています。

ドルフィンズは現在4勝7敗で5連敗中、一方のブロンコスは3勝8敗で7連敗中です。勝った方が連敗脱出となるだけに、両チームとも絶対に負けられない試合となっています。

ブロンコスはドルフィンズより勝率が悪くなっていますが、ディフェンスを見るとNFL3位でランとパス、いずれのディフェンスも同4位とバランスが取れています。このディフェンスで3勝8敗という成績なのが信じられないぐらいです。

その要因となっているのはオフェンスにあると思われます。ブロンコスは先発QBが安定せず、シーズン開幕時はトレバー・シーミアンが先発して3勝1敗の好成績を残していましたが、その後3連敗して先発の座をブロック・オズワイラーに譲りました。

しかしそのオズワイラーも3連敗して先発を降格、昨年のドラフト1巡目指名のパクストン・リンチに交代しています。そのリンチですが、先週の対オークランドレイダース戦で足首を痛めてしまい、この試合には再びシーミアンが先発することになります。

3人の中ではシーミアンが最も期待できるQBですが、これまで10個のインターセプトを犯すなど不安定な要素もあります。

対するドルフィンズもQBのポジションには泣かされています。エースQBライアン・タネヒルがシーズン開幕前に怪我をしてプレーできなくなり、急遽引退していたジェイ・カトラーを復帰させたものの練習不足の不安定さに加えて怪我により2度の欠場を余儀なくされています。さらに控えQBマット・ムーアも先発した試合では0勝2敗と結果を出すことができていません。

この試合では先週の対ニューイングランドペイトリオッツ戦を欠場したカトラーが先発しますが、脳震とうからの復帰となり、安定したプレーができるかどうかがポイントとなります。

そのカトラーを守るべきオフェンシブラインはシーズン当初の先発メンバーのうち2人が欠けています。RTジャワン・ジェームスはすでにシーズンアウト、そしてRGジャーモン・ブッシュロッドは先週のペイトリオッツ戦に続いてこの試合でも欠場が決定しています。そのオフェンシブラインはペイトリオッツ戦では7つのQBサックを許しています。

またカトラーのパスプレーの成否はランオフェンスにかかっていますが、ドルフィンズのRB陣はダミアン・ウイリアムスが肩を痛めて欠場、第3RBのセノリス・ペリーも脳震とうでプレーできません。そこで急遽練習生だった新人RBデベオン・スミスを昇格させていますが、NFLでの実績はまったくありません。

そんな中で2年目のケニアン・ドレイクがただ1人計算できそうなRBとしてプレーしますが、実績に乏しく、またこれまで4試合で2度のファンブルを犯しているということで、決して安心して任せられる状態ではありません。スミスにも多くの期待はできないでしょうし、ランが進まないと厳しいでしょうね。

この試合でドルフィンズが勝利するためにはカトラーの安定したプレーも必要ですが、それよりもまずオフェンスがブロンコスよりも先に得点をあげて優位に立つことです。NFL30位のオフェンスのドルフィンズがブロンコスのディフェンスから多くの得点を奪うことは容易ではありません。それだけに、先にリードを許してしまって追いかける展開になると、これまでの5試合のように勝てない可能性が高くなってきます。

また、ディフェンスがブロンコスのオフェンスを抑えることも必要です。ブロンコスのオフェンスはNFL22位、スコアリングオフェンスは26位と決してよくありません。ただし、ランオフェンスは同16位とそれほど悪くないので、このランをなんとしても止めることが必須です。

ランを止めてシーミアンにパスを投げさせる回数を増やすことで、パスラッシュをかけてオフェンスのリズムを崩させれば勝機は見えてくると思います。ただし、ドルフィンズもディフェンスバックのパスカバーがあまりよくないので、そこをしっかり守れるかがポイントとなります。

ドルフィンズのHCアダム・ゲイスとブロンコスのHCバンス・ジョセフは昨シーズンはドルフィンズで共に戦い、好成績を残してチームをプレーオフに導きました。今シーズンはそれぞれ敵としてこの試合を迎えるわけですが、まさかこんなチーム状態で対戦するとはシーズン当初は思ってもみなかったでしょう。

戦前の予想ではドルフィンズがほんの少し有利、ただしホームチームであるということを除けばブロンコスが有利とも言えます。ブロンコスの強みはやはりディフェンスだと思いますので、そのディフェンスに圧倒されるようだとドルフィンズが勝利するのはかなり難しいと言えます。

ただ、ホームゲームですし、なんとしても勝ってほしいです。11月は勝利がなかったドルフィンズですので、ファンとしては久しぶりに勝利する姿が見たいと思います。