先週デンバーブロンコスに35-9で勝利して連敗をストップさせたドルフィンズですが、第14週はニューイングランドペイトリオッツを地元マイアミに迎えます。この試合でドルフィンズが敗れてペイトリオッツが勝利すれば、その時点でペイトリオッツのAFC東地区優勝が決定します。

この試合はマンデーナイトゲームとして行われるんですが、ドルフィンズはマンデーナイトゲームでは過去8試合でわずか1勝しかしていません。またマンデーナイトも含めた夜間の試合、いわゆるプライムタイムゲームでも今シーズンは過去3戦に全敗しています。

そして、この試合のドルフィンズの先発QBジェイ・カトラーは、過去にペイトリオッツと3度、ブロンコス時代に1度とシカゴベアーズ時代に2度対戦していますが、すべて敗れています。

さらに戦前の予想でもペイトリオッツが圧倒的に勝っており、11ポイント有利だという数字が出されています。まあ、今シーズンの両チームの状況を考えれば仕方がないところでしょう。ドルフィンズにとってはネガティブな状況が揃っており、試合をやる前からすでに負けることが決まっているかのようです。

この試合を迎えるにあたって、ペイトリオッツは攻撃の核であるTEロブ・グロンコウスキーが先週の対バッファロービルズ戦での反則により出場停止処分を受け、欠場が決定しています。ドルフィンズは2週間前のペイトリオッツとの対戦ではグロンコウスキーに2つのTDパスレシーブを決められていますので、ディフェンスにとってはやや負担が軽くなるかもしれません。

ただ、ペイトリオッツはグロンコウスキーがいなくてもほとんど戦力が落ちるわけではなく、昨シーズンも2度の対戦ではいずれもグロンコウスキーは出場していませんでした。にも関わらずドルフィンズはペイトリオッツに勝てていません。ペイトリオッツは主力選手が怪我をしてもほとんど戦力は変わらず、状況に応じた戦術や戦略を用いてきます。

この試合でドルフィンズが注意すべきはQBトム・ブレイディのパスプレーもそうですが、それよりもペイトリオッツのランプレーを警戒しなければいけないでしょう。前回の対戦でドルフィンズはペイトリオッツのRB陣、ジェームス・ホワイト、レックス・バークヘッド、ディオン・ルイスなどに計196ヤードを献上しています。

ブレイディには計8回のQBヒットを浴びせるなどパスラッシュはそこそこ効果があったと思います。しかし、ランプレーを止めない限りドルフィンズは勝機をつかめないような気がします。ランを止めればある程度僅差の試合になるのではないかと思いますが、逆にブレイディのパスが威力を発揮してくるかもしれません。

ディフェンスバック陣のパスディフェンスに不安のあるドルフィンズですが、先発CBコードレイ・タンカーズレイが先週の対ブロンコス戦で足首を痛めており、この試合ではプレーできそうもありません。代役はアルテラウン・バーナーとなりますが、どこまでカバーできるかが懸念されます。

一方オフェンス陣ですが、RBダミアン・ウイリアムス、RGジャーモン・ブッシュロッド、そして控えQBマット・ムーアの欠場はすでに決定しています。ウイリアムスの欠場によりランオフェンスはRBケニアン・ドレイク頼みということになりますが、ドレイクはブロンコス戦では23キャリーで120ヤードを稼ぐラッシングを見せました。

当然ペイトリオッツ側もドレイクのランプレーを警戒してくるでしょうから、そこでどれぐらい走れるかがポイントとなります。ドレイクのランがある程度出るようならばオフェンスの幅も広がりますし、カトラーへのプレッシャーも軽減されるでしょう。

前回の対戦ではムーアがペイトリオッツのディフェンスに計7つのQBサックを受けました。オフェンシブラインはその時のメンバーと同じなのですが、今回の試合がそのメンバーでの3試合目となります。前回よりは連携もよくなっていると思うので、カトラーをプレッシャーからある程度は守ってくれると期待しています。

いろいろな角度から見てもペイトリオッツの優位は変わらないし、ペイトリオッツは弱点が少なく、またその弱点を補って余りあるプラスαの要素があります。それはブレイディの能力であったり、HCビル・ベリチックの戦術であったりするんだと思います。しかし、ドルフィンズも先週のブロンコス戦では、ブロンコスの不調に助けられたとはいえ、非常にいい勝ち方をしてきたと思います。オフェンス、ディフェンス、スペシャルチームがそれぞれいいパフォーマンスを発揮して、それがチームとして1つにまとまった勝利だったと思います。

その勝利の勢いをなんとかこの試合にも継続させて、絶対的に不利だと言われている状況を覆してもらいたいと期待しています。仮にそれができなくても、ペイトリオッツを苦しめていけば必ず勝機は訪れます。そのためにはまずはペイトリオッツより先に得点をあげて試合の主導権を握ることですね。

ドルフィンズはこの試合でスローバックジャージを着用して試合に望みます。今シーズンは初めてですが、昨シーズンはスローバックジャージで臨んだ2試合はいずれも勝利しています。そのスローバックジャージでペイトリオッツを打ち負かしてくれることを願っています。