第14週のマンデーナイトゲームは、大方の予想に反してマイアミドルフィンズがニューイングランドペイトリオッツを27-20で破りました。ペイトリオッツは連勝が8でストップするとともに、ロードゲームでの連勝も14でストップしました。さらにこの試合に勝てばAFC東地区優勝が決定していたんですが、それも決まりませんでした。

ドルフィンズにとってはHCアダム・ゲイスとなってから初めてのペイトリオッツ戦での勝利となりました。また、この試合では1972年のパーフェクトシーズンの時のスローバックジャージで戦ったんですが、昨年から数えてスローバックジャージでは3連勝で負けなしです。ここでもまだパーフェクトが続いています。

さて試合の方ですが、ドルフィンズの素晴らしい勝利で、今シーズンというか近年でのベストゲームと言ってもいいかもしれません。オフェンス、ディフェンスともペイトリオッツを上回り、大きなミスもなくて完勝と言っていいと思います。

この試合で一番の殊勲者はCBザビアン・ハワードでしょうね。ペイトリオッツの最初の攻撃でQBトム・ブレイディから見事なインターセプトを奪いました。試合開始直後の攻撃でドルフィンズがFGで3点を先制したんですが、その直後にペイトリオッツに反撃されていたら試合展開も変わっていたと思うんですが、それを防いだことが大きかったと思います。そのインターセプトをきっかけにオフェンスが追加点をあげているのでなおさらでしょう。

それとハワードは後半開始のペイトリオッツの攻撃でもブレイディからインターセプトを奪っています。ここでもドルフィンズのリードはわずかに3点だったので、その攻撃でペイトリオッツに得点されていたらその後の展開も変わっていたと思います。さらにそのインターセプトをきっかけにTDで7点を追加していますので、非常に効果的でペイトリオッツにダメージの残ったプレーだったと思います。

ハワードはシーズン開始前は期待されていたんですが、シーズンが開始されると相手チームのエースWRと相対することが多く、パスディフェンスの評価も低かったんですが、先週の対デンバーブロンコス戦での活躍で覚醒したんでしょうか、ブレイディというNFLNo.1のQBとペイトリオッツのNo.1オフェンスを相手に素晴らしい活躍でした。ちなみに2試合連続での複数インターセプトはチーム史上初の快挙です。

それから2番目の殊勲者はRBケニアン・ドレイクですね。ドレイクはこの試合で25キャリーで114ヤードを獲得しました。またパスレシーブでも5回で79ヤードを稼いでおり、ランとパスレシーブ合わせて193ヤードを稼いでいます。さらに目立たないんですが、ペイトリオッツディフェンスのブリッツをブロックしてQBジェイ・カトラーのパスプレーを助けています。

先週の対ブロンコス戦で120ヤードのラッシングを記録していますので、2試合連続で100ヤード以上のラッシングとなります。ペイトリオッツのランディフェンスはそれほどよくはないんですが、それでも前回の対戦では抑えられていました。この試合でドレイクがどれだけ走れるかがポイントだったんですが、予想以上の結果だったと思います。

この活躍でドレイクは欠場中のダミアン・ウイリアムスが復帰してもエースRBとして信頼されることでしょう。大学時代には控えRBだったドレイクをドラフト3巡目で指名したフロントの選択は正しかったということでしょう。ジェイ・アジャイが抜けてもまったく遜色ない、むしろアジャイよりいろいろな面で優れているのではないでしょうか。

ハワード、ドレイク共に2年目の選手なんですが、同じく2年目のジャキーム・グラントも活躍しました。素晴らしいTDパスレシーブを決めたのも含めて2回のパスレシーブで42ヤードを獲得しています。願わくば第4Qのロングパスもキャッチしてくれたらよかったんですが。ただ、グラントもオフェンスの武器となることが証明された試合でした。

それとカトラーの活躍も忘れてはいけません。この試合でパス38回投中25回成功で263ヤードを獲得、3TDパスを決める一方でインターセプトはなく、非常に安定したプレーを見せてくれました。ペイトリオッツ戦での初勝利となり、ブレイディに投げ勝ったことになります。カトラー自身にとっても今シーズンのベストゲームで、過去に遡っても久しぶりの会心のパフォーマンスだったのではないでしょうか。

あとはディフェンス陣の活躍ですね。ブレイディから2つのインターセプトを奪ったハワードも素晴らしかったんですが、それとともに驚かされたのがペイトリオッツの3rdダウンコンバージョンを11回すべて抑えたということです。NFLNo.1のオフェンスを相手に3rdダウン時に1stダウンを更新させなかったというのは素晴らしいことです。この試合の勝因は実はこれに尽きるのではないでしょうか。

その他、ペイトリオッツのランプレーをわずか25ヤードに抑えたのもよかったと思います。前回の対戦では196ヤードも走られていたので、今回の対戦ではそこを抑えることが絶対条件だったんですが、見事に抑えてくれました。それによってブレイディにもよりプレッシャーをかけられたので、効果はあったと思います。

試合終盤にゴール前1ヤード地点まで攻め込まれた場面があったんですが、あそこもTDを取られるかと思ったんですが、ディフェンスがよく抑えてFGに止めました。最後までよく守ったと思います。

本当にドルフィンズの素晴らしいところが目立った試合だったんですが、ペイトリオッツというか特にブレイディが不調だったこともあるんでしょうね。怪我をしているみたいですから、そのことも影響したんでしょうか、今ひとつ切れがなかったと思います。その不調にも助けられた勝利でしたね。

ただ、どんな状況であれ王者ペイトリオッツに勝ったことは事実で、圧倒的とも言える実力差を跳ね返しての勝利は誇れるものだと思います。この調子を継続させて、今シーズン残りの3試合にもできれば全勝してもらいたいですね。そうすればほとんど無理だと思われていたプレーオフも見えてくるかもしれません。