マンデーナイトゲーム、ドルフィンズとニューヨークジャイアンツの対戦はドルフィンズのチーム創設50周年を記念した試合ということで、しかもリアルタイムで中継を見ることができましたので、非常に楽しみにしていました。もちろんドルフィンズの勝利に期待していたんですが、結局残念な結果に終わりました。
ドルフィンズのホームということだったんですが、スタジアムにはジャイアンツファンも多く見られ、ある意味ドルフィンズのホームとは思えないような雰囲気でした。ジャイアンツファンがバカンスも兼ねてマイアミまで試合を見に来ていたんでしょうか、そんな印象も受けました。
肝心の試合の方ですが、途中まではいい感じで勝てそうだったのですが、第3Qに同点に追いつかれてからは試合の流れがジャイアンツペースになってしまったような気がします。FGを失敗させた後の攻撃がチャンスだったのですが、それを無駄にしてしまったのが悔やまれるところでした。
振り返ってみて、数字的なものを見てもあまり差はなかったんですが、一番大きく違ったのが反則の数と罰退ヤードです。ジャイアンツは3回で25ヤードだったのに対して、ドルフィンズは12回で123ヤードを罰退、しかも第4Qの大事なところでのメジャーペナルティがチームにとって大きな痛手となっています。
第4Qに逆転された後、時間は10分以上残っていましたので、追いつき追い越すことは十分可能だったはずです。しかし最初の攻撃では敵陣内31ヤード地点まで攻め込みながらオフェンシブラインのホールディングで罰退したあげくにパントに終り、さらにその次の攻撃は敵陣48ヤード地点からと絶好のフィールドポジションだったにもかかわらず、WRジャービス・ランドリーが感情に任せたまったく無意味な反則で15ヤード罰退して自滅した格好になりました。
ランドリーに関してはこの試合でWRとして11回のパスレシーブで99ヤードを獲得したほか、パントリターンやキックオフリターンで非常に大きな貢献をしてくれていました。それだけに、あのつまらない反則ですべてを台無しにしてしまったような気がします。
この試合はランドリーとジャイアンツWRオデル・ベッカムのライバル対決のような見方もされていました。ルイジアナ州立大学のチームメイトということで両者とも意識していたと思うし、全米のファンからも注目されていたところがあったと思います。しかし終わってみればベッカムの方が大きく評価される結果になってしまいました。
ただ敗戦の要因はそれだけではなく、得点を取ったらすぐに取り返されるディフェンスも不甲斐ないものでした。特にパスディフェンスにいたっては最悪で、QBイーライ・マニングのパスをほとんど防ぐことができませんでした。マニングは31回のパスのうち失敗はわずか4回で337ヤード獲得、4TDパス、QBサックとインターセプトはなしとほぼ完璧な内容でした。
まあマニングが常にそんな成績をあげていたらチームが負け越していることはないと思うので、マニング自身の調子もよかったのでしょう。ただ、それにしてもドルフィンズのディフェンスは悪すぎました。プロボウルCBブレント・グライムスもベッカムにはまるで歯が立たなかったですし、それに加えて不可解だったのが決勝点となった84ヤードTDパスレシーブの時はなぜCBジャマー・テイラーをベッカムとマッチアップさせていたのかということです。
テイラーは先発から降格となり、先週は試合にも出場していませんでした。先発CBボビー・マッケインが欠場してしまったという不運はあったにせよ、あの起用には疑問が残りました。結果、セーフティの選手との連携が取れずベッカムを完全にフリーにしてしまいました。
あと毎度のことですが、試合に負けると必ずと言っていいほどランプレーの議論が起こります。この試合でRBラマー・ミラーは12キャリーで89ヤードを獲得して2TDランを記録していますが、前半に7キャリーで69ヤードを獲得したのに対して、後半はわずか5キャリーで20ヤード獲得に止まっています。
当然なぜかという疑問が湧いてきますが、ある情報によればミラーが足首を痛めてしまったからだということです。しかし別な情報ではミラー自身は問題なかったということですし、どっちが本当なのかわかりません。痛めていたことは事実でチームとしては大事を取ってのことだったのかもしれませんが、負ければ完全にプレーオフへの道が絶たれるという状況で大事を取るというのはあり得ません。
12月のこの時期になれば先発選手で五体満足というのはほとんどいなくて、みんなどこかしら痛めたりしているものだと思います。ましてやミラーはこの試合までチームトップの7TDを記録しており、この試合でも2TDをあげているんですから、チーム最強の武器とも言っていいでしょう。その選手を勝負どころで使わないという手はありません。
ちなみに今シーズン、ミラーが13回以上走った試合は全勝、12回以下だと全敗という結果が出ています。ということはミラーに数多く走らせれば試合に勝てる可能性が高いということなので、オフェンスのゲームプランとしては当然ミラーのランを中心に組み立てるものだと思うのですが…
この試合を前にオフェンスのランとパスのバランスについて注目していました。なぜならば先週の試合でパスがほとんど出なかったので、この試合ではまたパスが多くなるんじゃないかという懸念がありました。ジャイアンツのパスディフェンスが悪いということもあったんでしょうが、やはりパスが多くなってバランスが悪くなりました。
そしてそのパスについてもバランスが悪く、ランドリーをターゲットとしたものが18回で、それ以外の選手は3分の1以下です。ひとりの選手にパスが偏るというのもどうかと思うのですが、ランドリーが先週の試合でパスレシーブが少なかったことに不満を爆発させていたようですが、まさかその影響でもないでしょうが。
これで5勝8敗ということで今シーズンもまた勝ち越すことはできなくなり、よくて8勝8敗の5割ですがその可能性も非常に低いと思います。しかしファンとしては勝てば気分がいいですが負ければ悪くなりますので、消化試合だから無理に勝たなくてもその分ドラフトの順位を上げれば、などとは絶対に思いません。1つでも多くのいいプレー、そして1試合でも多く勝ってもらいたいと思っています。