今週末の試合はドルフィンズのディフェンスとブロンコスのオフェンスの戦いがポイントとなります。ドルフィンズのディフェンスはNFL2位でそのうちパスディフェンスも同2位の208.0ヤードです。それに対してブロンコスのオフェンスは同3位でパスオフェンスは同2位の323.0ヤードです。

ブロンコスQBペイトン・マニングのパスプレーをドルフィンズのディフェンス陣がどう封じるかが勝敗の行方を左右すると思います。DEキャメロン・ウェイクやオリビエ・バーノンを中心としたドルフィンズのパスラッシュは強力ですが、マニングはこれまでの10試合でQBサックをわずか11回しか受けていません。したがってマニングからQBサックを奪うことはほとんど不可能と考えなければいけません。しかしQBサックは奪えなくてもマニングにプレッシャーをかけ続けていくことが重要です。

ブロンコスは先週の対セントルイスラムズ戦に22-7で敗れていますが、2012年シーズン以降で最低の得点と4番目に少ないボール保持時間(24分10秒)に終わりました。加えてTEジュリアス・トーマス、WRエマニュエル・サンダース、RBモンティー・ボールなどオフェンスの主力選手の怪我の影響でオフェンスが低調になりましたが、それらの選手はドルフィンズとの試合にも欠場することが濃厚となっています。

とはいえブロンコスにボールを持たせると、そのオフェンスを止めることは非常に難しいことが予想されます。そのためドルフィンズはできるだけ長くボールをキープして、マニングとブロンコスに攻撃をさせないことが勝つためには必要です。

今シーズンのドルフィンズは10試合中8試合で100ヤード以上のラッシングを記録しており、先週の試合でもバッファロービルズのディフェンスを相手にして125ヤードを獲得しています。その試合ではプロボウルLTブランデン・アルバートを欠いていたにもかかわらずです。ドルフィンズのランオフェンスはNFL6位の127.3ヤードとなっています。

そのランオフェンスの一翼を担っているのがQBライアン・タネヒルです。タネヒルは261ヤードのラッシングを記録しており、これはチームではエースRBラマー・ミラーに次いで2番目の成績です。リードオプションからのランプレーが時折威力を発揮してロングランを記録するなど、平均ラン獲得ヤード数は1回当たり7.1ヤードとなっています。

タネヒルはパスプレーも好調で、ビルズ戦ではパス34回投中26回成功で240ヤードを獲得して2つのTDを記録する一方でインターセプトは犯しませんでした。そして過去5試合中4試合でパス成功率70%以上を記録しています。

しかしドルフィンズの課題はレッドゾーン内での得点力です。ドルフィンズの1試合当たりの平均得点は24.9点ですが、レッドゾーン内での得点率はリーグで31位となっており、レッドゾーン内でのオフェンスで77%のTD率を誇っているブロンコスとの差は歴然となっています。

ドルフィンズとブロンコスの対戦成績は11勝4敗1引分と圧倒的にドルフィンズが勝っています。しかし前回2011年の対戦ではQBティム・ティーボウの活躍もあってブロンコスが18-15で勝利しています。

またドルフィンズはマニングが加入してからのブロンコスとは対戦がなく、対マニングということになるとレギュラーシーズンゲームでは7勝5敗で勝ち越しています。そしてその間のマニングの成績は18TDパスに対して18インターセプト、QBレイティングは79.8となっています。

マニングが加入した後のブロンコスはホームで19勝2敗という勝率で、デンバーで行われる今回の試合でも戦前の予想は圧倒的にブロンコスが有利となっています。しかしドルフィンズにも付け入るスキは必ずあるわけで、マニングとの対戦は5年ぶりとなりますが、その空白の期間が微妙に試合に影響してくるような気がします。

5年前の対戦では試合開始の最初のプレーでいきなり80ヤードのTDパスを決められていますが、そのシーンが今でも脳裏に残っています。その時とはディフェンスのメンバーもほとんど入れ替わり、ディフェンスのシステムも変わっていますが、とにかくビッグプレーを許して試合の流れを持っていかれないようにしなければいけません。

ほとんどの選手がマニングとの対戦を経験していないので、マニングについては未知の強敵で予想以上に大きな存在となっているかもしれませんが、ニューイングランドペイトリオッツのQBトム・ブレイディを打ち負かしているドルフィンズのディフェンスは超一流だと思っています。ですからこの試合にも自信を持って臨み、その上で勝利してくれることを願っています。