本当に酷い試合でした。NFLでは連勝を続けることは簡単なことではないので、この試合を前にしてドルフィンズが負ける可能性も考えないではなかったんですが、まさか完封負けするとは思いませんでした。しかも敵陣に進入することはあっても得点するチャンスすら全くありませんでした。
負けた上に得点も取れずほとんどいいところもなかったんですが、そうなった要因はいくつかありました。まず何といっても、試合全体を通してビルズのパスラッシュに全く対応できなかったのが大きかったのではないかと思います。QBライアン・タネヒルは結局今シーズン最多となる7つのQBサックを受けました。
その結果、タネヒルが受けたQBサックは計58回となり、1969年の53回というチームワースト記録を更新してしまいました。またタネヒルはこの試合で82ヤードしかパスを投げられず、今シーズン残り1試合で3709ヤードに止まっていますので、シーズン4000ヤードパッシングも微妙になってきました。
ビルズはNFLトップのQBサック数をあげており、逆にドルフィンズはNFLで最も多くのQBサックを受けているので、こういう結果に終わるのは当然の流れとも言えるのですが、ビルズのパスラッシュに対する備えというか対策を考えなかったはずはないでしょうが、あまりにもお粗末すぎました。
タネヒルに対するプレッシャー軽減のためにランプレーを多用することも必要だったんですが、そのランプレーもほとんど出すことができませんでした。RBラマー・ミラーとダニエル・トーマスの2人合わせて12キャリーでわずか14ヤード獲得に抑えられました。しかも途中からトーマスばかりがランプレーに起用されてミラーは全くボールを持てませんでした。
怪我をしたわけではないのになぜミラーを使わなかったのか疑問なのですが、パスプロテクションのことも考えたらトーマスを使わざるを得なかったんでしょうかね。しかし、確かにランプレーも最長3ヤードしか出せなかったんですが、前半で大量得点差がついたわけでもなかったので、もう少しランプレーを出してもよかったのではないかと思います。
ミラーは前半2キャリーで5ヤード獲得、後半にいたってはわずか1キャリーで3ヤード獲得でした。いくらランプレーが止められていたとはいえ、ボールを持たせなければ走ることもできません。たとえヤードが稼げなくても走り続けることでパスが通りやすくなるなど活路も見出せたのではないかと思います。
結局ランプレーも出ず、激しいパスラッシュに終始晒されていたので、何回攻撃してもオフェンスにリズムが出せなかったのが得点を取れなかった要因と言えるでしょう。あげくの果てにタネヒルも怪我をしてしまいましたが、こちらはたいしたことはないようでひと安心です。
WRブライアン・ハートラインが4回のパス落球をしていますが、これもオフェンスにリズムを作れなかった要因の1つです。ハートラインはタネヒルのNo.1ターゲットですので、この不調が痛かったところもありました。ただ、ハートラインが落球を続けたのでリズムが狂ったのか、元々オフェンスにリズムがなかったからハートラインが落球したのか、それはどちらとも言えるでしょう。
ディフェンスの方もよくなかったです。ビルズのオフェンスを止めるにはランを止めることが第一なのですが、ほとんど止められず203ヤードを献上してしまいました。それでも前半は62ヤードしか許していなかったんですが、後半に倍以上の141ヤードを走られました。後半に走られたのはオフェンスが不調でディフェンスにそれだけ負担がかかったため、仕方がなかったところもありますが。
ドルフィンズはパスラッシュもほとんど効いていなかったようで、QBサド・ルイスにはあまりプレッシャーがかかっていなかったように思えました。ただ、これはビルズのオフェンシブラインのパスプロテクションがよかったんでしょうね。オフェンシブラインについてはビルズとドルフィンズを比べると格段の相違がありました。
ビルズは先発QBとエースWRが欠場し、第2、第3のWRも試合途中で退いたんですが、ドルフィンズはそのビルズに惨敗しています。これが先週ニューイングランドペイトリオッツに勝利したのと同じチームとは思えないほど、何か信じられない結果ですが、これもNFLなんですね。
ドルフィンズはこの敗戦で自力でのプレーオフ進出が消滅しており、次週の対ニューヨークジェッツ戦に勝利しても他チームの結果次第ではその時点でシーズンが終了してしまいます。現在のドルフィンズの実力がプレーオフ進出チームにふさわしいかどうかわかりませんが、とにかく次週のレギュラーシーズン最終戦はなんとしても勝利してもらいたいと思います。