試合に勝ったとはいえミスも多かったし手放しでは喜べないんですが、やはりファンとしては気分がいいものです。ベンガルズは今シーズン勝ち星が延びていないとはいえ、あのボルチモアレイブンズに勝利していましたので、試合開始直後の攻撃で簡単にTDを奪われたときには、この試合負けるかなと思いました。
しかしディフェンスがよくベンガルズの攻撃を抑えてくれました。Sクリス・クレモンズが2つのパスをインターセプトし損なうなど玉際の弱さ、またミスタックルも相変わらずあるんですが、第2Q中盤から第4Q終盤までベンガルズのオフェンスにほとんど1stダウンを更新させなかったのは素晴らしかったと思います。
QBサック0が証明するようにパスラッシュがあまり効いてなかったような気がしますが、ディフェンスバックを6〜7人入れて守っていた場面が結構あったようなので、やはりテレル・オウエンスとチャド・オチョシンコへのパスプレーを相当警戒していたと思います。最初の攻撃では易々と86ヤードをドライブされてしまいましたが、その後はジェイソン・アレンとショーン・スミスを入れ替えたようなので、その効果も大きかったと思います。
結局オウエンスとオチョシンコ2人合わせて8回のパスレシーブで99ヤード獲得に止めました。そのほとんどが試合前半で、さらにオウエンスの37ヤードTDパスレシーブは事故みたいなもので本来なかったものです。またQBカーソン・パーマーもパス38回投中17回成功、156ヤード獲得に止めました。そう考えるとパスディフェンスは非常によかったと思います。
ニッケルバックのベニー・サップがチームトップの10タックルと活躍しました。こういう脇役が活躍してくるとチーム力が底上げされますよね。サップは第4Qにマイナス7ヤードのロスタックルを決めていますが、このランブリッツは大きなプレーでした。
個人的に注目したいのは第4Q最初のベンガルズのオフェンスプレーで、3rdダウン残り5ヤードでQBカーソン・パーマーからオウエンスへのパスを4ヤードで止めたLBカルロス・ダンスビーのタックルです。WRとLBという完全にミスマッチの場面で、しかもオウエンスのような大型WRをダンスビーが止めて1stダウンを更新させなかったというのが、その直後のドルフィンズのTDドライブを呼び込んだと思っています。
ランディフェンスに関しても試合前半にはベンガルズに80ヤード(平均4.7ヤード)を走られていたんですが、後半はわずか26ヤード(平均2.8ヤード)しか走らせませんでした。ハーフタイムでしっかりアジャストできていた結果だと思います。
懸案のスペシャルチームもプロボウルKダン・カーペンターが先週の対ピッツバーグスティーラーズ戦に続いて2試合連続で5FGを決める活躍でした。しかも自己最長距離を更新しており、非常に安定しています。またPRデボン・ベスの拙いプレーもありましたが、キックオフ、パントともに好リターンがありましたので少しは整備されてきたのかな? まあ、そうであればいいのですが。
ちなみに予断ですが、ドルフィンズはハロウィーンの日に行われた試合では通算5戦全勝だそうですね。まあ、別に深い意味はなくたまたまなんでしょうけどね。
テレル・オウエンス
NFL第8週、ドルフィンズはアウェイでシンシナティベンガルズと対戦します。昨シーズンは10勝してAFC北地区優勝を果たしたベンガルズも今シーズンはここまで2勝4敗と勝ち星が延びずしかも現在3連敗中となっています。戦前の予想でもドルフィンズが有利となっており、先週の対ピッツバーグスティーラーズ戦で惜しい敗戦を喫したドルフィンズにとっては絶対に落とせない試合となります。
ベンガルズといえば2人のベテランWR、テレル・オウエンスとチャド・オチョシンコがオフェンスの中心となります。特にオウエンスはここまで40回のパスレシーブで564ヤード獲得と好調です。ドルフィンズはこの2人をCBボンテ・デービスとジェイソン・アレン、そしてショーン・スミスがマークすることになりますが、ここまでチームトップの3インターセプトを記録しているアレンがスミスと先発を入れ替わることが予想されます。
またベンガルズのランオフェンスはRBセドリック・ベンソンが2年連続のシーズン1200ヤードラッシングのペースで走っていますが、ここまでの6試合中4試合で平均3.5ヤードに抑えられています。先週スティーラーズのランオフェンスを平均2.1ヤードに抑えたドルフィンズですので、ベンソンのランプレーはそれほど脅威ではないでしょう。
一方ベンガルズのディフェンスはNFL4位だった昨シーズンに比べて、今シーズンはここまで同20位と低迷しています。ベンガルズディフェンスの強みは2人のCBレオン・ホールとジョナサン・ジョセフですが、ジョセフはひざの怪我のために先週の対アトランタファルコンズ戦を欠場しています。そのせいだけではないでしょうが、ファルコンズ相手に大量39失点しています。
ベンガルズディフェンスの大きな問題はパスラッシュの不足で6試合でわずか6QBサック、チームのサックリーダーが元ドルフィンズのSクリス・クロッカーで2QBサックです。
ドルフィンズは得点力不足が深刻で、ここまで1試合平均18.5点しか記録できていません。しかしベンガルズのディフェンス相手にはラン、パスともにオフェンスは進むでしょうから、あとはTDをどれだけ奪えるかが課題でしょうね。
ドルフィンズは今シーズン、ロードで3勝無敗とはいえやっぱり油断は禁物です。とにかくミスを少なくして、一番怖いのはベンガルズのパスオフェンスが爆発してしまうことですが、QBカーソン・パーマーも好不調の波が大きいようなので、LBキャメロン・ウェイクとコア・ミーシーを中心としたパスラッシュでプレッシャーをかけ続けたいところです。
ビルズは今シーズン最初の2試合では24点以上をあげましたがその後の8試合ではすべて17点以下と得点力がありません。先週の対ジャクソンビルジャガーズ戦でも18-15で敗れています。不調だったWRテレル・オウエンスが9回のパスレシーブで197ヤードを獲得する活躍を見せたもののそれが勝利に結びついていません。
ただ、フィッツパトリックからオウエンスへのパスがジャガーズ戦同様数多く決まるようだと要注意です。ビルズにはその他にWRリー・エバンスがおり、エバンスはドルフィンズ戦で通算5つのTDパスレシーブを記録しています。ドルフィンズのCBボンテ・デービスとショーン・スミスは2人とも新人ですのでオウエンスとエバンスを上手くカバーできるのか、このマッチアップは試合の鍵となります。
フィッツパトリックは今シーズンは3試合の先発を含む5試合に出場しており、TDパス3つに対してインターセプトは6つと不安定です。またQBサックも6つ喫しており、ドルフィンズは前回のビルズ戦でエドワーズに対して3インターセプト、6QBサックを記録しています。
またビルズのディフェンスはNFL25位で特にランディフェンスは同31位と弱いです。相手チームに対して1キャリー当たり4.9ヤードを許しており、ドルフィンズは前回の対戦の時にランで250ヤードを獲得しています。しかし最悪のランディフェンスに比べてパスディフェンスは同9位と好調で、特に新人Sジャイラス・バードは8インターセプトを記録しています。ただしバードは怪我をしており体調は万全ではないようです。またパスラッシュの中心はDEアーロン・ショーベルでチームトップの6QBサックを記録しています。
ビルズのオフェンスで注目すべきは何と言ってもWRテレル・オウエンスなんですが、そのオウエンスは先週の対ニューオーリンズ戦ではルーキーシーズンの1996年以来となるパスレシーブ0に終わっています。開幕からの2試合でも5回のパスレシーブで98ヤード獲得に止まっています。
それよりもドルフィンズにとって怖いのはもう1人のWRリー・エバンスです。エバンスはドルフィンズ戦で通算693ヤードのパスレシーブを決めていて、これは他のどのチームとの対戦時よりも多い数字です。昨シーズンも2回の対戦で計10回のパスレシーブで139ヤードを獲得しています。
あとビルズではエースRBマーショーン・リンチが3試合の出場停止処分が開けて今シーズン初出場となります。リンチ不在の間はRBフレッド・ジャクソンが3試合で291ヤードを走って穴を埋めました。2人のRBは警戒すべきなんですが、ドルフィンズのランディフェンスも強力でNFL3位、加えてビルズのオフェンスラインはOG2人がいずれもルーキーで、先発RTブラッド・バトラーをひざの故障で失っています。
またビルズのディフェンスですが、今シーズンここまで3試合すべてで20失点以上しています。ただ、セインツ戦ではセインツのQBドリュー・ブリーズに対してTDパスを許しませんでした。しかしその代わりにセインツのランプレーを止めることができませんでした。
ビルズディフェンスの核はDEアーロン・ショーベルで、開幕戦の対ニューイングランドペイトリオッツ戦では1QBサックとインターセプトリターンTDを決めています。ドルフィンズ戦では通算9つのQBサックを記録しています。さらにディフェンスラインにはプロボウルDTマーカス・ストラウドもおり、NFL3位のランオフェンスを誇るドルフィンズがこのディフェンスラインを相手にどこまでヤードを延ばせるかが鍵となりそうです。
ディフェンスバック陣は故障に泣かされています。CBレオディス・マッケルビン、Sドンテ・ウィットナーはいずれも欠場、その影響もあってかビルズのパスディフェンスはNFL28位と低調です。ドルフィンズは2年目のQBチャド・ヘニーがNFL初先発を果たすんですが、パスオフェンスにおいてつけ入る隙は十分あると思います。
そのことからオウエンスがカウボーイズを解雇された理由はそのあたりが原因だったのかということが予想できますが、どちらに問題があったのかはよくわかりませんね。
ただ、オウエンスは、現在自分がビルズにいることができて幸せだ、というふうな発言をしているようですが、これが1年後にはまたチームメイトを批判するような発言に変わらなければいいんですがね。まあ、いくら実力があっても問題児はどこへ行っても問題児ですから。
いずれにせよオウエンスのような問題児がドルフィンズに来なくてよかったです。
どるふぃんわん