プレーオフへの希望と期待で始まった試合が、終了を待たずして大きな失望に変わりました。勝っていればプレーオフに進めただけに、この結果は非常に残念であるとともに、シーズンの終わり方としては非常に後味の悪いものになりました。

戦前、ドルフィンズがこの試合に勝つためには先に得点を取って、さらに得点を重ねていかないといけないと思っていました。先に得点を取ったまではよかったのですが、その後の追加点を奪えませんでした。それが先取点を取ったにもかかわらず試合の流れをつかめなかった要因でしょう。

近年のNFLでは強いチームが勝つのではなく、勝ったチームが強いんだという傾向があると思いますが、その意味では勝ったジェッツが強かった、そして負けたドルフィンズが弱かったんだと思いました。

ジェッツについて言えば、前回の対戦と何が違っていたかと考えると、一番違っていたのはQBジーノ・スミスが自信を持ってプレーしていたという印象がありました。試合が進むにつれてその様子がよく表れていたと思います。

ドルフィンズはジェッツの最初の3回の攻撃をいずれもパントで終わらせたんですが、そこまでは前回とあまり違いはないかな、という感覚もありました。実際にドルフィンズの選手もそれを感じたのではないでしょうか。まさかそれで油断したとか甘く見たということはないと思いますが、先に点を取って、これで勝てるという慢心みたいなものがどこかにあったような気がします。

試合前半、ドルフィンズが波に乗っていけなかったのは小さなミスだったように思います。先制点をあげた次の攻撃でのQBライアン・タネヒルからWRマイク・ウォレスへのロングパスがわずかにオーバースローとなりました。あれが通っていればTDで追加点をあげることができましたが、逆に直後のジェッツにTDを奪われてしまっています。

そして同点に追いつかれた直後のドルフィンズの攻撃ではタネヒルからのパスをWRリシャード・マシューズが落球して1stダウンを更新できませんでした。あのパスも通っていれば1stダウン更新どころかロングゲインになっていたと思います。そしてその直後にまたしてもジェッツにTDを奪われています。

その2回のオフェンスをいずれも小さなミスのためにスリー&アウトとなってパントに終わってしまった…それが試合の流れがジェッツ側に移ってしまった要因だった気がします。ジェッツの攻撃をどちらかでもFGに止められればよかったのですが、TDを許してしまったディフェンスもよくなかったですね。

それでもまだ1TD差でしたから挽回するチャンスはあったんですが、第3Q中盤の攻撃でジェッツ陣内29ヤード地点まで攻め込みながらインターセプトでチャンスを逸してしまったのが痛かったです。その直前のプレーでタネヒルからウォレスにTDを狙ったパスがあったんですが、ジェッツCBディー・ミリナーに阻まれてTDを取れませんでした。ただ、ややインターフェア臭かったですし、ウォレスもキャッチしてほしかったです。

そしてその直後に同じくタネヒルからウォレスへのパスをミリナーにインターセプトされました。あのインターセプトはタネヒルのパスが悪かったわけではなく、ミリナーが上手かったんですが、直前でウォレスが足を滑らせていて、それがなければウォレスがキャッチできていただけに、ツキがなかったというか、その時点でもジェッツの流れだったんでしょうね。

そのインターセプトで攻撃権を得たジェッツはドルフィンズ陣内に攻め入ってFGを狙ったんですが、失敗に終わりました。ジェッツがミスをしてくれたのでドルフィンズにとっては試合の流れを変えるチャンスだったんですが、結局単調な攻撃でパントに終わっています。事実上あの時点で試合は終わりましたね。

全体を通して感じたことですが、勝てばプレーオフというモチベーションの上がる状況で、ドルフィンズの選手には映像を通して、何か覇気が感じられませんでした。これはオフェンスだけでなくディフェンスもそう感じました。実際のフィールド上ではそうではないのでしょうが、それが見ている側に伝わってこなかったのが残念でした。

特にオフェンスは単調なプレーを繰り返すばかりで、相手チームの嫌がるようなプレーとか、気迫あふれるプレー、そういったものがありませんでした。WRブライアン・ハートラインが欠場してしまったのが痛かったですが、それにしてもこの試合に向けて何を準備していたのか。まあ、負けたからそうなるのでしょうが、非常にスッキリしない敗戦とシーズン終了でした。

結果的に8勝8敗で負け越してはいないんですが、この試合と先週のビルズ戦の内容で昨年以上の敗北感を感じました。しかし、そう感じているのはファン以上に選手の方が大きいでしょうから、この屈辱感を忘れずに来シーズンへとつなげていってもらいたいと思います。