ドルフィンズのレギュラーシーズン第12週の対戦相手は、アウェイでの対デンバーブロンコス戦です。かつてブロンコスにはジョン・エルウェイという素晴らしいQBが在籍しており、ドルフィンズの偉大なQBダン・マリーノと何度か対戦していますので、その2人が対戦した試合も思い出に残っています。

特に1998年12月に行われたマンデーナイトゲームのブロンコス戦は、私は現地まで観戦に行きましたので、今でもその時の様子が鮮明に思い出されます。ただしこの試合はドルフィンズの地元マイアミで行われた試合ですので、今回はデンバーで行われた試合で思い出に残っている試合を紹介します。

その試合とは、2002年10月に行われたサンデーナイトゲームの対ブロンコス戦です。この試合は特に試合終了前、最後の1分間の間に大きなドラマがあり、しかも当時ライブでテレビ観戦していましたので興奮と感動も最高潮でした。結果はドルフィンズが24-22で逆転勝利を飾ったんですが、勝敗を抜きにしても素晴らしい試合内容でした。

第3Qを終了した時点でブロンコスが12-7とリードしていたんですが、第4Qに入って激しい攻防がありました。ドルフィンズはCBサム・マディソンのインターセプトをきっかけにRBリッキー・ウイリアムスが2ヤードのTDランを決めて14-12と逆転、さらに直後のブロンコスの攻撃でCBパトリック・サーティンが40ヤードのインターセプトリターンTDを決めて21-12と大きくリードを奪いました。

しかしブロンコスも粘りを見せてQBブライアン・グリーシーがRBマイク・アンダーソンに1ヤードTDパスを決めて2点差に迫り、そして次の攻撃でKジェイソン・イーラムがこの試合5本目となる55ヤードFGを決め、残り試合時間45秒で22-21と再逆転しました。

さすがにこの時点でドルフィンズの逆転勝利を予想した人はほとんどいなかったと思います。私自身も正直もうダメかと思っていました。しかしここからドラマが起こったのです。

QBジェイ・フィードラーが2回パスを失敗して3rdダウン残り10ヤード、ここでフィードラーが投じたパスをTEランディ・マクマイケルがアクロバティックなパスレシーブを決めて17ヤードをゲインすると、次のパスはブロンコスLBジョン・モーブリーにインターセプトされそうになりましたが、モーブリーの手をすり抜けて、後方にいたWRデドリック・ワードがキャッチしました。

これが大きなキープレーになったんですが、モーブリーがインターセプトし損なった時のブロンコスHCマイク・シャナハンの頭を抱えたリアクションが印象に残っています。

そして逆転をかけたKオリンド・マレーの53ヤードFGですが、実はマレーはこの試合で48ヤードFGを失敗していたので、たぶん今度は決めてくれるだろうと思っていたんですが、それでもこの年のマレーはFG失敗が多かったので不安もあり、ハラハラして見ていましたが、結局最後はしっかりと決めてくれました。

それにしても、残り試合時間1分を切った後での50ヤード以上のFGの蹴り合いというのはなかなか見られるものではありません。しかもどちらのFGも成功しているんですから。まあこれは、空気が薄くてボールがよく飛ぶと言われている高地のデンバーならではのことでしょうが、本当に貴重な瞬間を見せてもらったような気がします。

ところで、マレーが逆転FGを決めた後のグリーシーの表情も印象的だったんですが、この翌年にはそのグリーシーがドルフィンズに移籍して、ドルフィンズのQBとしてプレーしているんですから、運命というのは本当にわからないものです。

この試合の最後の1分間の攻防の様子はYouTubeにもアップされていますので、ぜひご覧ください。