ドルフィンズの新しいヘッドコーチにシカゴベアーズのオフェンシブコーディネーターだったアダム・ゲイスが就任しました。数人に候補者との面談の結果、このゲイスに決定したんですが、この人はどんな人なのかよくわからないので調べてみました。

1978年3月29日生まれで現在37歳ということで、NFLで最年少のヘッドコーチということです。これまでにヘッドコーチの経験はありませんが、37歳という若さのわりには16年間のアシスタントコーチ歴があるということです。

キャリアのスタートは2000年にルイジアナ州立大学でのアシスタントということですが、その当時ゲイスは22歳で、ルイジアナ州立大学のヘッドコーチはニック・セイバンが新しく就任した年です。セイバンはその前年までミシガン州立大学でヘッドコーチを務めており、ゲイスもその間同大学の学生でした。

ということはセイバンがゲイスをルイジアナ州立大学にアシスタントとして連れてきたということになります。ちなみにゲイスは大学でのプレー経験がなかったということですが、それにもかかわらずセイバンがゲイスをアシスタントに加えたということは、ある意味ゲイスはセイバンに認められていたということで、何か特筆すべきものを持っていたということでしょうか。

その後ゲイスは2003年にデトロイトライオンズでスカウトのアシスタントに就任してNFLでのキャリアをスタートさせました。そしてライオンズでは2005年からオフェンスのアシスタント、2007年にはQBコーチを歴任しています。

2008年にはサンフランシスコ49ersでアシスタントを務め、2009〜2014年はデンバーブロンコスに在籍していました。ブロンコスではWRコーチ、QBコーチ、そしてオフェンシブコーディネーターを歴任し、2011年にはQBコーチとしてティム・ティーボウを指導してプレーオフに導いています。

2013年と2014年はオフェンシブコーディネーターを務め、QBペイトン・マニングという存在があったとはいえ、総得点、トータルオフェンス、パスオフェンスでいずれもNFL1位の成績を残しています。特に2013年には、ブロンコスはゲイスの指導の下、オフェンスのスコアリングで14ものNFL記録を更新しています。

2015年はシカゴベアーズのオフェンシブコーディネーターとしてベアーズのランオフェンスを前年のNFL27位から同11位に向上させ、同時にQBジェイ・カトラーの成績向上に大きな影響を与えています。

今回のヘッドコーチ就任にあたって、ゲイスはオフェンスのプレーコールを担当するということと、それに加えて53人のロースターの決定権も与えられているということです。今まであまり聞いたことがないのですが、新人のヘッドコーチがそこまでの権限を与えられるということは特別なことではないでしょうか。つまりはそれだけの資質がゲイスにはあるということでしょうね。

しかし、これでドルフィンズではカム・キャメロン、トニー・スパラノ、ジョー・フィルビンに続いて今回もオフェンスマインドの新人ヘッドコーチの就任となりました。個人的にはヘッドコーチ経験のある人物を想像しており多少不安もあるんですが、他チームを見るとカロライナパンサーズのロン・リベラやピッツバーグスティーラーズのマイク・トムリンなど過去にヘッドコーチ経験がなくても成功している例もありますので、今回のゲイスには期待しています。

ちなみに、すでにアシスタントコーチの名前も報道されており、ディフェンシブコーディネーターにシンシナティベンガルズのDBコーチのバンス・ジョセフ、そしてベンガルズのLBコーチのマット・バークやベアーズのDLコーチのクリント・ハート、ダラスカウボーイズのDBコーチのジェローム・ヘンダーソンが加わるだろうと予想されています。

オフェンシブコーディネーターの名前はあがってきていませんが、ゲイス自身がプレーコールも担当するということで、もしかしたらゲイスが兼任するのかもしれませんね。また現在のアシスタントで誰が残留するのか、一部ではダン・キャンベルも残るのではと言われていますが、いずれにしてもこれからアシスタントコーチも順次発表されるものと思われます。