ワイルドキャット
残り3試合なので最後まで指揮を執らせるのかなと思ったんですが、やはり勝負のシーズンで開幕7連敗はあまりにも大きかった。というか、昨シーズン終了時点で解任してもよかったんでしょうが、ロックアウトがあることがわかっていたのでもう1年やらせてみた、だけどやっぱりダメだったというのが正解なのでしょうか。
2008年にドルフィンズのHCに就任して以来ほぼ4年間で、結局何が残ったのかというとすぐに思いつかないですね。1年目の地区優勝がありましたが、それは予定外のQBチャド・ペニントンの存在と、新兵器ワイルドキャットの影響でしょうから、スパラノ自身の指導力というわけではないでしょう。そして2年目以降はもう論外です。
ただ、スパラノ自身もHCとしてはドルフィンズが初めてだったわけですし、まだまだこれから経験をつんでいかなければいけないんでしょうね。来シーズン、スパラノがどこかのチームのHCに就任するとは思えませんが、アシスタントコーチとしてはどこかに収まるかもしれません。
選手には評判はいいようで、LBジェイソン・テイラーなどはスパラノ解任は間違っている、というようなことを言っているようです。しかし結果を出せない以上クビを切られるのがNFLの世界で、本当は長い目で見れやればいいんでしょうが仕方ないところですね。
ただ、結果がどうであれチームや選手、そしてファンのために尽力してくれたのは間違いないことなので、お疲れ様でしたという言葉と今後の活躍に対するエールを送りたいと思います。
Miami Heraldのレポートによると、ドルフィンズはニューイングランドペイトリオッツからFAとなるОGローガン・マンキンスに関心を持っているようです。このオフのドルフィンズの補強ポイントはいろいろとあるんですが、オフェンシブラインについては非常に重要だと思われます。
マンキンス自身は、ペイトリオッツは自分を引き止めないだろうと考えており、また同時にフランチャイズ選手に指定されることは望まないようです。マンキンスに対しては年平均1000万ドル(約8億2000万円)程度の高額オファーが考えられるとのことで、確かに優秀なОGは欲しいんですが果たしてそこまで出して獲得するかどうかですね。
またドルフィンズはニューヨークジェッツのWRブラッド・スミスにも関心を持っているということです。スミスはワイルドキャットの司令塔として平均7.1ヤードのラッシングを記録しており、さらにキックオフリターンではNFL2位の平均28.6ヤードを記録しています。
ドルフィンズからはRBロニー・ブラウンがFAとなり、ブラウンがドルフィンズと再契約する可能性はあまり高くないようです。ОCも代わったのでワイルドキャットを引き続き使うかどうかわかりませんが、もし使うのならばスミスの獲得は価値がありそうです。しかしそれもオフェンシブラインがきちんと整備されないと意味がないですけどね。
ロード無敗のドルフィンズがボルチモアレイブンズに挑んだ一戦ですが、やっぱりレイブンズにはやられましたね。試合内容からすれば完敗だったんですが、特に前半はレイブンズもいくつかミスを犯していましたからつけ込む隙はあったと思うんですが… ドルフィンズにその力はなく、それ以上にミスを重ねてしまいました。
非難されるべきは合計402ヤードを献上してしまったディフェンスが一番だと思うんですが、ディフェンスについては後日触れるとして、こちらも問題のあったオフェンス、特にQBチャド・ヘニーとОCダン・ヘニングについても非難が集中しているようです。
ヘニングのプレーコールには数多くのファンが疑問を抱いているように、僕自身も、なんで? と思う場面がいくつかありました。一番疑問に思ったのは最初のTDを取った攻撃ではRBロニー・ブラウンのランプレーを多用してそれが結構効いていて、しかも攻撃にもリズムが出ていたにもかかわらず、その後の攻撃ではほとんどランプレーが出ていません。
ブラウン自身はこの試合全体で9キャリーで59ヤードを獲得しているんですが、最初のTDドライブだけで6キャリーで45ヤードを記録しています。ということはその後の攻撃でブラウンはわずか3キャリーで14ヤード獲得に止まっています。加えてRBリッキー・ウイリアムスにいたってはわずか2キャリーで1ヤード獲得のみです。
レイブンズにとっては最初にランプレーの連続でTDを取られたのでやられたという印象は持っていたはずですし、ランを出されると嫌だという気持ちもあったはずです。なのになぜもっとランプレーをコールしなかったのか。前半を終わって13-10とわずか3点差だったので十分チャンスはあったと思います。しかし試合後半のランプレーはブラウンが2キャリーとウイリアムスが1キャリーでした。
あとヘニーに関して感じることは、オフェンスにリズムを作れないということですね。まあそれはヘニーだけの責任ではなく、ヘニングのプレーコールにも原因はあると思いますが、今シーズン指摘されている得点力不足はそれによることが大きいと思います。昨シーズンまではワイルドキャットでそれを補っていたんですが、今シーズンはそれも使えなくなっていますので余計に苦しいんでしょうね。
この試合の両チームのオフェンスを見ていると、レイブンズはそれぞれの選手を非常に上手く使ってオフェンスを展開しています。それに比べてドルフィンズの方はなにか1人1人バラバラに使われてオフェンスが行われているような気がします。まあ結果が出ていないからそう感じるのかもしれませんが、それにしてもオフェンスにリズムがなさ過ぎます。
ヘニーに関しては昨シーズンの方が伸び伸びとプレーしていたように思えますが、それもワイルドキャットがあったからなんでしょうかね。開幕前からビル・パーセルズに失格の烙印を押されたりして、実際にシーズンが始まってもオフェンスが思うようにいかず、先発QBとして考えることや責任を感じることがあると思いますが、なんとか結果を残して自信をつけてほしいですね。そのためにもいいプレーコールを願いたいです。
シーズンも半分を終わって4勝4敗… やっぱり最終的に9勝7敗か8勝8敗ぐらいのチームなのかなと思ったりしますが、2008年シーズンは4勝4敗からその後の8試合を7勝1敗で乗り切り地区優勝しています。何が起こるかわかりませんので、可能性がある限り最後まで期待したいと思います。
どるふぃんわん