今週は契約に関するニュースがいろいろとありました。まずFAとなる予定のRBラマー・ミラーについてですが、ドルフィンズと再契約する可能性もあります。ミラー自身はドルフィンズに残りたいと思っているようですが、再契約するとなると少なくとも年平均500万ドルぐらいでの複数年契約が妥当だと考えられています。

当然ミラーとドルフィンズの間で契約に関する話し合いが行われるでしょうが、ミラーは適正な評価とコンスタントなプレー機会を望んでいると思われます。ミラーはFAとなるRBの中では若く、2016年シーズンを迎えるときにはまだ24歳です。この若さというのは大きな魅力で、もしFA市場に出ていけばミラーを欲しがるチームは少なくないと思います。

ドルフィンズがミラーの望む条件を飲めるかというのがポイントですが、仮にミラーがいなくなると2年目のジェイ・アジャイがエースRBということになり、正直ちょっと不安が残るかなという気がします。ただ、他にも補強ポイントが多くある中で、ミラーにそれほどお金を使うことはできないのではないでしょうか。

同じくFAとなる予定のWRリシャード・マシューズですが、ドルフィンズは再契約の意志がある旨のニュースがありました。新しいオフェンスシステムでマシューズが必要なのかもしれませんが、こちらの場合はミラー以上に難しいような気がします。

まず契約するに当っては、マシューズは当然先発としてプレーできることを視野に入れていると思います。しかしドルフィンズに残って先発WRとして起用されるかというと、答えはノーでしょう。来シーズンの先発WRはすでにジャービス・ランドリーとデバンテ・パーカーで決まっているでしょうし、マシューズが残ったとしてもよくて第3WR、もしかするとケニー・スティルスに次ぐ第4WRになるかもしれません。

昨年マシューズはトレードに出してほしいとアピールしていたこともありますし、前述の理由によりドルフィンズに残る可能性は低いのではないかと思います。ただ、他チームと契約する場合でも先発WRとして契約してくれるチームがどれだけあるかはわかりません。

それとこれはFAの話ではないんですが、DEキャメロン・ウェイクとの契約延長の話があるようです。どのような条件になるのかはわかりませんが、サラリーの見直しも含めた契約延長であるのは間違いなく、サラリーキャップ対策が大きな要因だと思います。これによって、FAとなるDEオリビエ・バーノンを引き止めるという意図もあるようで、バーノンをフランチャイズ選手に指定するという見方もされています。


今週2人の選手と契約しています。WR A.J.クルーズとCBチムディ・チェクワですが、このうちクルーズはアリーナフットボールリーグ(AFL)出身の選手です。実はクルーズは昨年シカゴベアーズに3年契約で入団しているんですが、開幕直前のロースターカットで解雇されています。

クルーズはNFLのドラフトでも指名されず、ドラフト外入団もできませんでした。2014年からAFLでプレーしていたんですが、昨年ベアーズがNFLでのプレー経験のない選手と3年間という契約を結んだということは、何か特出したものを持っていたということなんでしょうか。

ただ、今回クルーズと契約したということはHCアダム・ゲイスの希望だったと思います。ゲイスは昨年ベアーズでOCを務めていましたから、当然クルーズのことも知っていたでしょう。ちなみにクルーズはAFLではキックオフリターンでリーグトップの成績を残していますので、WRというよりリターナーとして期待されていると思われます。


最後になりますが、今週WRグレッグ・ジェニングスが、QBライアン・タネヒルはエリートQBではない、と発言して話題となっていました。ただ、ジェニングスは同時に、コーチ陣がタネヒルの成長を妨げたとも言っており、タネヒルを批判するというよりもコーチ陣を非難しています。

以前にも触れたと思いますが、前HCジョー・フィルビンは2014年にドラフトで現オークランドレイダースのQBデレック・カーを指名したかったということで、すでに2014年からタネヒルに不信感を抱いていたと思われます。また前OCビル・レイザーは、ジェニングスによると、タネヒルに対してオーディブルなどの自由を与えなかったにもかかわらず、メディアに対してはリーグで最も自由にプレーをしていると嘘をつき、そのことはロッカールームでは誰もが知っていたということでした。

これらのことが事実だとすれば、HCやOCからまったく信頼されていないQBがプレーヤーとして成長することはできないでしょうし、チームを勝利に導くことも難しいでしょう。確かにタネヒルはエリートQBからは程遠いかもしれませんが、選手を正しい方向に導くべきコーチ陣のサポートなしにはどんなエリートQBでもいいプレーはできないでしょう。新HCにゲイスを選んだ理由の1つはそこにあるのではないかと思います。